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2019.01.02

レビュー

削るだけ!なのに自由!『贈れる・飾れるスクラッチ はりねずみの冒険』

夕食後のお楽しみ

夕飯のあと、お湯を沸かしてお茶を用意して、スクラッチシートをカリカリ削るのが最近の楽しみ。……といっても、くじ引きの銀のスクラッチではなくて、イラストのスクラッチだ。

モノトーンで線画が描かれたハガキサイズのシートを、付属のペンでそっと削ると、下に隠された色が現れる。とても簡単でシンプル。なのに実際にやってみると、ウンウン考え、工夫をし、遊べる部分がとても多い。

本作は6枚のスクラッチシートと付属のペン、そして封筒で構成されている。スクラッチのデザインのメインは、はりねずみの“ハリーくん”のイラストだ。読書をするハリーくんや、雨の森をお散歩するハリーくんなど、ハリーくんのほっこりライフが描かれている。




ハリーくん、海に森に大忙し。貝やキノコのモチーフが可愛い。


「削るだけ」なのに「自由」

私は、自分の色彩感覚にさして自信がないというか、こだわりがない。だから「大人向けの塗り絵がブーム」と聞いてもスルーしていたが、スクラッチは「どこを、どう削るか?」だけなので気負わず楽しめた。

「自分で色を決められないなら、不自由なんじゃないの?」と考える人もいるかもしれない。

でもね、違うんですよ。やってみてわかった。考えるところがたくさんある。

まず、「どこから削るか?」です。これは性格が出そうだ。せっかちなのに小心者の私は、主役であるハリーくんの「針」から手をつけることに。顔は緊張するので後回し。




いざ!




優しくなぞると色が出ます。爪楊枝やコインでも削れますが、付属のペンが一番使いやすい。それにしてもハリーくんの針の色は私が想像したこともない配色だ。綺麗。楽しい。
次に「雨だれ」と「ハリーくんの雨傘」と「小鳥」を削ります。




すでにいい感じ。削りながら「なんとなく削り跡を残す」ことも覚えた。木版画のイメージだ。




こんな風に、小鳥とお花は少しだけ削らない部分を作ってみました。

そう、「どこを、どのくらい削るか?」も、本人にゆだねられた大事な要素だ。潔く全削りしてもいいし、ほんの少しだけ削ってワンポイントでもいい。私の場合、削る前に立てていた計画では、「ちょこっと削ってカラフルにしようかな」だった。ところが、削っていくうちに、どんどん削りたくなるのだ。削っている間は無心になるというか、脳内から快楽物質ドーパミンがドバドバ出ているのがよくわかる。当初の「ちょこっと削って……」という計画はアッサリ吹っ飛び、「次はどこを削ろうか」とウンウン悩むことに。




顔が命……! お花も削りました。我ながらウットリ。でもまだ削りたい!

「せっかくだから、葉っぱも削るか。でも、ふちだけ」「いや、この葉っぱは、シマシマ模様に削る」といった具合に削る部分がどんどん増えてゆき、ここまできた。




当初の予想以上に賑やかな世界だ。



ちなみに、模様がない背景部分も削れます。少しだけお花の中心部分と葉っぱの先を描き足しました。そのうち追加で削ってしまいそうだが、一旦これで完成です。

いっそ一気に削ったら……?
黙々とハリーくんを丁寧に少しずつ削る一方で、乱暴者な私の声もした。「ガガーッと一気に削るのはナシ?」……や、そういうカードじゃない気がする。でもすべては私次第だし、自由……。ということで、やってみました。結論としては、めちゃめちゃ楽しく、とても爽快だった。パーッと景色がひらけていくようで気持ちいい。




後悔なし。サンキュー。

少し削ってからグリーティングカードとして誰かに送るのも良い(封筒はこのためにあるんだろうな)。「コレ、楽しいからやってみて」と削る前のカードを分けてあげるのも喜ばれそうだ。




とっておきのお誕生日カードです。箱の色は何色なんだろう。ケーキもきっとすごくカラフルで可愛いはずだ。迷う。いつ削ろう……!


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レビュアー

花森リド イメージ
花森リド

元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。

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