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2018.06.01

レビュー

大草直子の「コーチングシート」やってみた。自分スタイルを360度過去未来分析!

きゃりーぱみゅぱみゅが大好きだった。数年前世の中に出てきた時、すぐに夢中になった。商用に作られ演じている部分もあることは重々承知しているが、あの独特のスタイルと、着せられてるのではなく彼女のものとして着こなしていることがかっこよくて仕方がなかった。

スタイルと言えばスティーブ・ジョブズ的なのもある。同じ服しか着ない! あれも潔い立派なスタイルだ。

有名人でなくてもビジネスは関係なくても、日常の自分、一般の生活者として、セルフブランディングって必要だよな……大事だよな……と考えてはいる。

だが、はて、私自身に「スタイル」というものが存在したことがあっただろうか……? たぶんない。

ファッションが好きか嫌いかで言えば、とても好きなほうだった、昔は。

でも「オシャレより、子育てに向いた機能重視でいいんだよ。どうせ汚されるし、どうせ子どもしか見てないんだから」。
そんな自虐的な考えを言い訳にして、オシャレを遠ざけている現状。

プチプラというと聞こえはいいが、安さを極め、さらに量も買わない。ジョブズとは違った意味で同じ服をクタクタにしながら毎日着ている。大事な人に会うとき以外はスッピン。残念極まりない。

二児を産んだ後の身体の変化がさらにやる気を削ぐ。お肉が重力に負けて、ほうれい線や首に深い線は刻まれ、お尻と太ももの境目は消滅し、シミと白髪が恐ろしいほど一気に増えた。

「自分のスタイル」なんてどこへやら。

でもかっこいい素敵な同世代以上の女性を見ると、自分が情けなくなる。

本当はあなたみたいになりたいの! おしゃれしたいの! と心が叫ぶ。

本書はmi-mollet(ミモレ)編集部が著作した、「何を買っていいのか、着ていいのかわからない」「自分に似合う服ってなんだろう」とファッションに戸惑う女性たちが、自分のスタイルを見つける過程を楽しむために作られた本である。

ミモレとは、成熟に向かう女性たちに向けて2015年にスタートしたウェブマガジン。ファッション、美容、健康、生き方など、女性たちのリアルに寄り添い、年齢を重ねた今のほうが楽しいと感じられるコンテンツを日々提供している。

本書では、ミモレが考えるスタイルのある方々に、“スタイルとは何か?”“確立するまでのプロセス”について語っていただきます。

ということで、まずファッションのプロ・著名人のスタイル、おしゃれ、生き方をインタビューで紹介している。

さすが、ブランドの創業者やディレクターの感性や言葉はきらびやか。子育て疲れの心には眩(まぶ)しく光り、綺麗でいたい女の本能が刺激される。


でも、それはあくまで単なる一例。唯一無二の正解というわけではありません。あなたのおしゃれの正解は、あなたにしかつくれないとミモレは考えているからです。

イントロダクションの大草直子氏の言葉が響く。

例えば一枚の白シャツ。一粒のパールのピアス。心を決めて、鏡の前であれやこれや、自分と照らし合わせて眺めてみることは、その近道だったりする。襟を立てて、裾を出して──という白シャツの着こなしや、デニムと赤のリップでシンプルに──というパールのあしらいは。すなわち今のあなたであり、まさにそれ自体がもう、スタイルなのだ。



あ、なーんだ、そんな簡単なことでいいのか! それも「スタイル」って言うんだ!

そういうのならできそう。スタイルというものへのハードルが一気に下がって身近に感じられた!

この本の一番の醍醐味は、コーチングシートを自分の頭で考え、自分の言葉で綴る作業だ。

どうぞ、大草直子編集長監修のコーチングシートにあなた自身のことを、あなたの言葉でうめてください。本当に好きなものやなりたいイメージを自分自身に問いかけそれらを承認する。その対話を行っていただきたいと作成しました。それこそがいちばんお届けしたかった時間です。

早速やってみた。鉛筆で書くのがコツだそうだ。

自分自身を見つめ直す作業、過去のファッション傾向やルーツを探る作業は恥ずかしくもあり、新鮮でもあり。

更に他人にどう思われているかチェックするパートは目から鱗。

一番身近な大人、夫に聞いてみた。
「どういう服を着ているときの自分が好きか」→シンプルで若干ゆったりしたサイズの服
「似合う服の色」→パステルカラー
「似合う髪型」→アップスタイル
だそうだ。

へー……! そんな風に見られてたんだ。
主観的に似合うと思ってるものと、客観的なものが、180度まではいかなくても結構ずれがある。

おしゃれな人とは、他人の目線と自分の目線のバランスがとれている人。

なるほど。ごもっともです。
自分の考える「自分らしさ」に凝り固まっていると、変わることはできない。

そして将来を自由に想像してみるパート。
書きながらものすごくわくわくしてしまった。

ファッションの未来を夢想すると、人生も豊かになりますよ。なぜなら、あなたのスタイルが、人生そのものだから。

このQ3「近い将来、欲しいと思っている時計は何ですか?」の問いが面白い。この時計は女性像を如実に表すものなんですって!

私のゴールドという色は、シルバーよりは目立ちたい現れなのか。
メッシュベルトはゴツさとは真逆。繊細で柔らかくありたいのかな?
読み解くのも楽しい。

シートの解説の最後の一文が、この本の全てだ。

いかがでしたか? 長所もコンプレックスも含めて自分を見つめ直し、他人から見える自分を認識するだけで、おしゃれへの意識が変わったのではないでしょうか? それがこのコーチングシートの目的。自分のスタイルを築き上げるためのヒントがここにあります。迷ったら、いつもこのシートに立ち戻って。そこに答えがあるのだから。

さあ、あなたも自分のスタイルを見つけるというワクワク、キラキラした体験をしてみませんか?
今まで知らなかった新たな自分との出会いが待っているはずです!

レビュアー

野本紗紀恵 イメージ
野本紗紀恵

一級建築士でありながらイラストレーター・占い師・芸能・各種バイトなど、職歴がおかしい1978年千葉県生まれ。趣味は音楽・絵画・書道・舞台などの芸術全般。某高IQ団体会員。今一番面白いことは子育て。

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