あなたのスーツ選び、間違っていませんか?
春になると、就活生、新入社員などフレッシュなスーツ姿の男性を多く見かけるようになります。就活用などビジネスのファーストスーツを購入する際に親と一緒に出掛ける人が多くを占めるとか。ビジネスマンで毎日スーツを着ている父親、身だしなみにはうるさい母親だから、一緒に出かけると安心! そう思っていませんか?
スーツ選びで一番重要なことは「正しいサイズを選ぶこと」。驚くべきことですが、男性の8割以上が「サイズ感」の認識の違いで、スーツ選びを失敗しています。これは就活生だけではありません。ビジネスマンにも言えること。身体のラインを補整し、全体をすっぽり包む感覚が、スーツの「正しいサイズ感」。必ずしも「着ていてラク」なものとは限りません。
スーツはサイズが命。男性の8割以上が間違っている! 「正しいサイズ感」とは
たとえば、ジャケット(上着)。正しいのは肩パッド入りで実際の肩幅と同じか少しつまめるくらいのもの。肩から腕にかけてのラインが、なだらかにスーッと落ちていく感じが目安。このサイズ感であれば、ジャケットとの対比で顔が小さく見えるし、印象もシャープに整います。
試着の際は、後姿も含め、全身を慎重にチェックしてください。可能であれば、スーツに合わせるシャツと靴、ベルト等の小物も、コーディネートしたうえで試着するのがベスト。 あなたのそのアドバイス本当にあっていますか?
今どきの就活スーツは「黒」が主流
そして親世代、子世代で意見が分かれるのが色。「スーツと言えば、紺かグレーでしょう」と口をそろえて言う親世代に対し、子世代は「就活スーツは黒」。
たしかに黒のスーツはビジネスシーンではNG。特に固い職種、外資系や外国の方と接する機会の多い職場では避けたほうが無難と言われています。
ところが、現在の就活スタイルの主流は圧倒的に黒の無地です。就活生に理由を聞いたところ「無難だから」「みんなが着ているから」との答え。洋服の青山の調べによれば、70%以上の人が黒を選んでいます。 本来、ビジネスシーンには「黒」という色は存在していません。黒のスーツが主流になったのは、ここ10年の流行。スーツを含め、ファッションは時代とともに変化するものですし、就活ともなれば「周囲から浮いた服装はしたくない」と考えるのは当然です。しかしビジネスルールでは紺やグレーが正解。事情を知った上でのアドバイスは説得力を増します。
正しいスーツスタイルはビジネスの基本です。就活生、新入社員もアドバイスをする親世代も一度基本に立ち返ってみてはいかがでしょうか?
スタイリスト。1958年、大阪府生まれ。早稲田大学教育学部卒業。株式会社婦人画報社(現・ハースト婦人画報社)にて男性誌「メンズクラブ」のファッションエディターとしてキャリアをスタート。1996年クリエイティブオフィス「株式会社グローブ」を設立。現在は広告、雑誌のファッションディレクションやスタイリング、俳優・芸能人のスタイリングを行う。アパレルブランドのプロデュースやコンサルティング、雑誌のファッションアドバイザー、ファッション講演など幅広く活躍中。