少年を主人公に日中戦争から大東亜戦争くらいまでの頃の瀬戸内の人々や暮らしを描く連作短篇集。あとがきに「舞台は広島」とありました。兵隊さんたちが泊まった家の子どもを連れて、出征直前に神社にお参りする場面も印象的です。遠く離れ、さらに、もしかすると永遠に別れてしまうかもしれない、我が子や故郷の子どもたちを重ねていたのでしょうか。本を買ってくれたり、やさしいです。(カラスヤ)
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』『カラスヤサトシの孫子まるわかり』『カラスヤサトシの戦国散歩』など多数。近刊にこの連載「文庫で100年散歩」を収録した『カラスヤサトシの日本文学紀行』があります。
近況:久々にプラネタリウムに行ったら、映像がキレイすぎてビックリしました。