原爆投下から終戦の日の前日までの特攻隊員の出動命令を待つ日々。感覚は鋭敏になって、過去と未来は平行するみたいに頭の中に展開し、時間がものすごく速く流れると同時に、ものすごくゆっくり進んでいるようで、目は蒸発する海の水の泡立ちや雲が色を変えていく様子を見ている。極限状態の時のもののとらえ方を追体験しているようです。恐ろしい。(カラスヤ)
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。近刊に新書館『カラスヤサトシの孫子まるわかり』、講談社『カラスヤサトシ』9巻、リイド社『カラスヤサトシの戦国散歩』があります。
近況:インフルエンザが、うちのまわりではどうやら西の方から近づいてきてる感じで、気味悪くもどこか神秘的な気もします。