風采は上がらないが才覚ある働き者の康吉と、お嬢様育ちがぬぐいきれない美人妻の喜多。妻にあなどられ、ワガママに振りまわされつつも、したたかに世を渡るも、今の感覚なら、離婚フラグ立ちまくりに見えるのですが、そんな2人が自然に調和していく描写がすばらしいです。傑作。現在の南座は昭和4年築なので、この旅行の時はちょうどあったかなかったか、ビミョーな時期と思います。(カラスヤ)
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。近刊に新書館『カラスヤサトシの孫子まるわかり』、講談社『カラスヤサトシ』9巻、リイド社『カラスヤサトシの戦国散歩』があります。
近況:今年あたりから、そろそろ本気で酒を控えようかと思い始めております。