今日のおすすめ

PICK UP

2016.03.27

インタビュー

やりたいことは、顔に描く。第一印象で「外見力」を発揮するには?

春は新しい出会いが多い季節。初対面の人と友好な関係を築くためにも、第一印象は大切です。そこで、日本のメイクアップアーティストの草分け的存在であり、「人の魅力づくり」に携わって60余年。著書・『いくつになっても「転がる石」で』にもあるように、人生を楽しくワクワク生き、81歳の今なお現役の小林照子さんに、より「魅力的な自分」になる秘訣を伺いました。あなたは、他人からどのように見られているか知っていますか……?

小林照子(こばやし てるこ)

1935年東京都生まれ。美容研究家。日本のメイクアップアーティストの草分け的存在であり、今なお現役として多忙な日々を送る。1958年、小林コーセー(現コーセー)に入社。美容研究や商品開発、教育などを幅広く担当。世界初の「美容液」をはじめ数々のヒット作を生み、1985年に同社初の女性取締役に。1991年、56歳で独立し、人の外見的な魅力(美)と心の輝き(ファイン)を追究する「美・ファイン研究所」を設立。1994年にプロのメイクアップアーティストを育成する「フロムハンドメイクアップアカデミー」、2010年に美容に特化したカリキュラムで高校卒業資格が取得できる通信制高校サポート校「青山ビューティ学院高等部・東京校」、2013年に同・京都校を開校し、校長に就任。モデルや女優、政治家から一般の男女まで何万人ものイメージづくりを手がける等、60年にわたって「人の魅力づくり」に取り組み、美のノウハウを惜しみなく伝え続けている。現在は、美容家として活躍するひとり娘の小林ひろ美、そのひとり息子である孫と3人暮らし。

出会った時の印象で、人は相手の性格や能力までわかったつもりになっている。

「やりたいことがあったら、顔に描いてしまいなさい」

これまで本当にたくさんの人に、そうアドバイスしてきました。人の第一印象は、6割方、外見で決まると言われます。出会ったときの見た目の印象で、人は相手の性格や能力までわかったつもりになっているのです。そういう意味では、人は見た目が10割! と言ってもいいかもしれません。だから、自分の夢があるのなら、まず自分の顔に「なりたい姿」を描いてしまうこと。もしあなたが、やりたいことに対する十分な能力を持っているなら、なおさらです。

たとえば、「会社勤めをしているけれど、これまでのスキルを生かして起業したい」というのなら、まず起業家らしい外見をメイクやヘア、ファッションで作り上げるのが得策。「私はこんなことができます、あんなことができます」と口で説明するよりも、外見をきちんと作るほうが断然説得力があり、夢を早く実現することができます。

夢を早くかなえる戦略的「見た目」作りとは!?

私の教え子の中には、40代、50代からプロを目指して美容を学ぶようになった人もたくさんいます。それまでのキャリアは、会社勤めをしていたり、家庭で子育てや介護をしていたり、実にさまざま。美容というのは自らのセンスを売り物にする仕事ですから、本人の外見も「センスのありそうな人」に見せる戦略が必要です。彼女たちが美容を学んで「センスのいいメイクアップアーティスト」「凄腕のエステティシャン」という外見の表現を身につけると、面白いことが起こります。美容を学んで日が浅くても、ベテランのメイクアップアーティスト、この道何十年のエステティシャンに見えますから、お客様から非常に信頼されるのです。

21世紀に入り、日本は「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」という目標を掲げているそうです。学生時代に必死に学び、仕事一筋でがんばってきた女性たちがより高いキャリアを目指すときにも、戦略的な外見作りは重要になります。優秀な彼女たちが今まであまり学習してこなかったのが美容。理解力が高い彼女たちは、論理的に美容を説明し、「なるほど!」と納得すると、まじめに美容に取り組みます。するとみるみる魅力的になる。こうした頭脳派女性を美容で応援していくことは、これからの私のテーマのひとつです。

  

「生きづらさ」も解消する外見力。ストレスフリーになるには。

また、外見を戦略的に使うことで、「生きづらさ」を解消することも可能です。「外見」と「キャラクター」は互いに影響を与えあっています。「しっかり者」だから、しっかりしていそうな外見になったのか、外見が「しっかりして見える」から、しっかり者になったのか。どちらも考えられるのが、外見とキャラクターの深いところです。外見とキャラクターが一致していれば、本人にストレスはないでしょう。でも、外見から判断されるままに無意識に自分を演じている場合は、そのストレスから生きづらさを感じやすいもの。

「あなたは明るくて社交的な印象があるけれど、本当の性格もそう?」こう訊くと、「実は違うんです。外では明るく振る舞っているから、疲れてしまうし、家族には外面ばっかりいいって言われるんです」という方がいます。

こういう方は、内面に合わせたメイクでクールな顔を作るのがおすすめ。周りが明るさを期待しなくなるので、楽に振る舞えるようになります。ただし、外見とキャラクターにギャップがあるのは、必ずしも悪いことではありません。「おとなしそうに見えるのに、ズバッとものを言う」「きつそうに見えるけれど、実はお茶目」というように、意外性を演出するのも魅力のひとつですから。

「印象分析」で自分がどのように見られているかを知り、個性をより魅力的に!

大切なのは、「自分がどんな印象を周りに与えているか」を、自分自身が知っておくことです。そのうえで戦略を立てれば、メイクで自由に望む印象を作ることができます。「自分ではどうしたらいいかわからない」というときは、ぜひ私たちのような外見のプロの力を活用してください。

メイクアップアーティストとして何万人もの顔に触れることで「人の個性や印象は造形で決まる」ことを確信した小林照子さんが、膨大な経験とデータをもとに、10年以上かかってまとめ上げた「小林照子の印象分析論」。目鼻や顔型をチェックすることで印象を12タイプに分類し、造形の個性をたくさんの「言葉」を使って絞りこみ、現在の印象(下記インプレッションマップ参照)がわかります。そこから進みたい方向や目的に合わせて、自分の魅力や個性を最大限に生かしていくことができます。自分の個性を土台に、好みのテイストを加えて表現の幅を広げてみては!

印象分析は、ホームページ「和=美(ワナビ)」で公開しているので、ぜひチェックしてみてください。
【和=美 印象分析」】 http://www.be-fine.net/impress/index.php

インプレッションマップ

おすすめの記事

2015.11.19

レビュー

「嵐」は日本のタテ社会を超えたのか? 韓国「演技ドル」との違い。

2016.03.19

インタビュー

10年後に差がつく。有元葉子は何を始め、何をやめたのか?

2016.03.17

レビュー

ネットでバズる136の負け方。「下から目線」で行こう!

最新情報を受け取る