速報性はネットに、臨場感はテレビに負ける。
時代に取り残されたとしても、新聞記者たちは特ダネを追い続ける。
「俺たちには責任がある」
【被害者女児死亡】──世紀の大誤報を打ち、飛ばされた3人の記者。7年後、児童連続誘拐事件が発生する。さいたま支局の関口豪太郎はかつての事件との関連性を疑い、本社の遊軍記者・藤瀬祐里は豪太郎の応援に合流し、整理部員となった松本博史は冷めた目で二人を静観する。警察も、目撃者も、記者も上司も嘘をつく。しかし豪太郎は、絶対に諦めない。
特別な結果を出すのは、いつだって本気の人間だ。
著者メッセージ
20年続けた記者人生のすべてを書こう。そう決心して『ミッドナイト・ジャーナル』の執筆をスタートさせました。 僕の1年目は一般紙の地方記者でした。大きな事件が起こり、作品に登場する1年生記者のように右も左も分からず、それでも他紙に抜かれまいと必死に真相を追いかけたものです。この小説には当時やその後の経験、周りにいた多くの優秀な記者……自分が見て感じたものを書き込んだつもりです。 執筆しながら、改めて新聞とはなにかを考えさせられました。どの仕事も同じですが、必死に仕事をしている時は振り返る余裕もありません。でも壁にぶち当たった時、自分はなんのために仕事をしているのかと考えさせられます。この小説の登場人物たちは皆苦い過去を抱えており、そして各自が「新聞にスクープは必要か」「今の時代に記者は必要なのか」と自問自答します。日々悩みながらも、凶悪な事件を追いかける。それらも感じ取ってもらえれば、著者として嬉しい限りです。
プロフィール
本城雅人(ほんじょう・まさと)
1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、産経新聞浦和総局を経て、その後サンケイスポーツで記者として活躍。退職後、2009年に『ノーバディノウズ』が第16回松本清張賞候補となり、同作で第1回サムライジャパン野球文学賞を受賞。代表作に『スカウト・デイズ』『球界消滅』『希望の獅子』『トリダシ』などがある。
熱狂! 10代から70代まで、感動の声、声、声!
現場の緊張感が伝わってきて、手に汗握る瞬間が何度もありました。何度読み返してもハラハラして面白かったです──北海道 10代 女性
真実を解明する者と伝える者。両者の駆け引きの緊張感がひしひしと伝わり、額から汗が流れ落ちた──鹿児島県 20代 女性
物語の最後は本当に感動しました。これこそ「記事」と「ネットツッコミ」の違い! いつか新聞は消えるかもしれない。でも、ジャーナリストは絶対に消えない──埼玉県 20代 女性
新聞記者は、人の記憶、心にしまい込まれた真実を開ける匠なのだ──神奈川県 30代 男性
新聞社に勤める家族がいます。あんなに働き詰めで大丈夫なのかと不安に思うことばかりでした。この作品を読んで、ここに描かれているように働いているのかと思うと、誇らしくなりました。今年ナンバーワンの作品だと思います──石川県 30代 女性
これから仕事に就く人に、今、仕事についている人に、かつて真摯に仕事に向き合っていた人に、読んでもらいたい──神奈川県 40代 女性
新聞は人の不幸でご飯を食べている嫌な仕事だと感じていましたが、本書を読んで考えが一変しました。──千葉県 40代 女性
新聞を愛してやまない人だけでなく、新聞に愛想をつかしかけている人にこそ読んでほしい。否が応でも緊迫感と臨場感を高め一気に読ませる超一級のエンタテインメント小説!──鹿児島県 40代 女性
新聞記者の究極の知略を見ることができる。近年、これほど引き込まれた小説はなかなかない──東京都 50代 男性
全身が熱くなり、力が入り、多くの登場人物に感情移入し、その人物になり切りながらの読書経験は久しくなかった──神奈川県 50代 男性
心臓をバクバクさせながら追体験させられていく。ページを繰る手が止まらない。若い頃に戻れるならば、一度、新聞社という魑魅魍魎の世界を体験してみたかったと思わせられる筆力に心の底から脱帽した──広島県 50代 男性
仕事は生計を立てるためのものと割り切っているあなた、仕事がマンネリになっているあなた、ぜひ読んでほしい一冊です──埼玉県 50代 女性
記者魂と人間関係、足を使って記事にすることの大事さ、本気の人間像がたまらない──福井県 60代 男性
この本は「新聞社の理想の世界」なのかもしれない。だが、現実の新聞社にも、これに近いものがあるに違いないと思わせてくれる。胸が熱くなる小説だった。──山梨県 60代 女性
こんな記者ばかりだったら支局は満杯……本社はガラ空きになってしまうぞ。久しぶりにワクワクしながら泣けてきた──京都府 70代 男性
賞嘆! 全国の書店員さんから感想をいただきました!
書くことで戦い、真実を世の中へ伝えようとする新聞記者の姿が最高に熱い──大垣書店イオンモールKYOTO店 辻香月さん
社会派エンタメの最高峰に連なる傑作。本書の豪太郎チームはとても魅力にあふれ、本田靖春氏にひけをとらない記者魂を感じました──さわや書店フェザン店 松本大介さん
報道のあり方を考えさせられました。三人の記者が、死にもの狂いで真実を追う姿に圧倒され、骨太のドラマに胸が熱くなりました──MARUZEN名古屋店 竹腰香里さん
この現代社会に新聞が存在する意味は? 書いたって変わらないかもしれない。でも書かずにはいられない。真実を伝えよう、発信しようとする熱い気持ちに感動する。校了までの緊迫したやりとりはとてもリアルで迫力があった。これはもう新聞記者という病気だ!!──SHIBUYA TSUTAYA 内山はるかさん
報道は人生を狂わせることも苦難から救うこともできる。一瞬たりとも気の抜けない骨身を削る真剣勝負が胸に突き刺さる。あらゆる感情を閉じ込めた圧倒的なリアリティ。新聞記者たちの“志“をこの世に伝える作品だ──三省堂書店 内田剛さん
元記者だけあって、ラストの迫力は読んでいてドキドキしてしまう。このところ新聞をゆっくり読む事もなくなっていたが、たまにはじっくり読みたくなった。──丸善丸の内本店 三瓶ひとみさん
ただ熱いだけじゃない。現実の甘い辛いもしっかり描き、夢物語におちいりがちなジャーナリズムというテーマにも、少女誘拐というやりきれないテーマにも真摯に向き合っている。ノンフィクションかもしれないと思わせるほど内容の濃い小説でした。──MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 中村優子さん
泥臭い人間関係と圧倒的な内容に、著者の記者魂を感じます。なにげなく読んでいた新聞の裏に多くの人間の感情が重なり合ってできていることがとても感慨深いです。──丸善横浜ポルタ店 柳幸子さん
ライバルは他誌だけではない。支局、本社を巻き込み捜査本部、刑事らへの夜討ちが続く。報道の良心に苦悩しつつも最前線に立ちおのれに頑ななまでの男たちの生き様がこれほどリアルに迫ってくる小説はありません。──書泉グランデ近藤茂樹さん