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2026.06.04

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【鈍器】メフィスト賞受賞作は「読むと出られない」多層構造〈迷宮本〉

戦争をしている国で一人の青年が一冊の小説を手にする。内包されているのは5層の異なる物語。語り手も時代も違う断片が連なり、読み手を翻弄しながら、想像を超えた世界の秘密に接近していく。本の名は『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』。  

……というのが小説のあらすじです。題名の『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』というのは作中作の名前でもあります。  

メフィスト賞はあらゆるジャンルが許容された小説新人賞です。創設時より 〈1作家1ジャンル〉を標榜し、第1回『すべてがFになる』から第65回『死んだ山田と教室』まですべて 〈異色〉の傑作揃い。第66回受賞作である市塔承さんの『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』も、その先蹤(せんしょう)に恥じぬ異色小説となりました。  

登場人物が読書をするという体験を通じて、読者も多層構造に幻惑されます。物語の迷宮を進み、作者がその最奥に隠したある結末を是非、目撃してください。  

──文芸第三出版部 西島聡

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