震災が起こる前、そして震災が起こってから現在まで続く日々の物語が、銅子と厚美という母娘の二つの視点から紡がれます。 大人と子供、受けた衝撃や思いに違いはあれど、彼女たちの生活にはどこか震災の「記憶」がまとわりつきます。 忘れることはできない、なかったことにすることもできない。 責任の所在が問えない「自然」との付き合い方を母娘は考え続けます。
「自分の経験を言葉にすることに挑まなければ、もっと大きなものは書けないと思った」と言う井戸川さん。 自然を許すとはどういうことなのか――。 小説を通して井戸川さんがたどり着いた「応答」を、ぜひ受け取ってみてください。
──文芸第一単行本編集チーム 中谷洋基






