そんな著者は本書にて、平均寿命が延びている現代において、やりたいことがやれる健康的な老後を送る、つまり「健康寿命を延ばす」ためには心臓や血管を守ることが重要だと説いています。では、いかにして心臓と血管を守るのか。その知識を一つひとつの症状や治療方法、予防策と併せて丁寧に解説するのが本書の特徴です。
血管と心臓の病気の「今」を知る!
また、治療後のQOLについては、「服薬」と「生活習慣の管理」のバランスをどう調整するかという、主治医の判断も重要なポイントになると指摘。著者自身が担当したとある患者は、20年以上前に心筋梗塞の手術をして一命をとりとめますが、15年前には脳梗塞を起こして半身麻痺(まひ)になってしまいます。しかし献身的な家族とのリハビリの末、数年前にはゴルフができるまで回復。最近では、毎日多くの薬を飲みながらも、夫婦で豪華客船での世界旅行を楽しんでいるとのこと。
これがもし、最新の医療情報もアップデートしていないような主治医であれば、「あなたのような体の状態で世界旅行なんかできるわけありません」などと言って、日々おとなしく生活するように「強要」していたでしょう。
病気の兆しを知り、早期に対応して「健康寿命」を延ばす!
血管と心臓のトラブル最大の要因は、高血圧。周囲にも高血圧の人がたくさんいて、ある意味当たり前のような症状かもしれませんが、上の血圧が145を超えてきたら服薬推奨レベルの要注意ポイントです。
血圧が高くなると心臓が血管に血液を送り込む際に、より大きな力が必要となり、それだけで心臓に負担がかかります。血管にも大きな圧力がかかるので、血管の内壁が傷ついて動脈硬化や瘤化(りゅうか)が起こりやすくなります。すると、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、大動脈解離、不整脈といった心臓疾患につながるのです。
また、血液検査や心電図検査もとても重要。これらの数値から、生活習慣病の兆しや突然死リスクとなる致死性心臓病の予兆もわかります。
さらに意外なところでは、夜間頻尿や難聴なども、場合によっては心臓の状態とリンクしている可能性も。
このように様々な兆しを見逃さないことが早期発見や早期治療、ひいては健康寿命を延ばすことへとつながるのです。
昔から飲み続けている薬、今の自分に合っていますか?
(1)長期にわたり使い続けている薬が、今も適正か
(2)先発薬か、ジェネリック医薬品か
(3)短時間作用型か、長時間作用型か
加齢によって腎臓の機能が低下している人が増えますし、嚥下能力(えんげのうりょく)が衰えるケースも多くあります。それらを考慮して、(1)(2)(3)のポイントを見直す必要があるのです。
本書の根底にあるのは、いかにして健康寿命を延ばし、楽しい老後を送るかということ。そこに直結する、心臓と血管のトラブルについて、原因を知り、兆候を知り、治療方法を知る。そのための知識がギッシリと詰まっている本書は、老後に向けてしっかり備えるという意味でも、今高齢な方だけでなく、近い将来に高齢へと向かうミドルエイジにとっても必携の書です!








