ただ、この言葉には疲れや不満といったネガティブな響きがつきまといます。本当は誰だって楽しく育児をしたいし、イライラなんてしたくないはず。それでも多くの人が、育児においてモヤモヤを抱えているのではないでしょうか。もちろん私もそのひとりです。そんなモヤモヤに光をあて、脱出のヒントを示してくれるのが、2025年9月22日に発売された『ワンオペ育児モヤモヤ脱出ガイド「つかれない家族」になるための31のヒント』です。
本書は、コミックエッセイストのハラユキさんが東洋経済オンラインで連載していた記事をベースに、再構成・加筆し、描き下ろしを加えたもの。国内外の家族への丁寧な取材を通じて、実用的なヒントをギュッと詰め込んだ、まさに“ワンオペ育児本の決定版”といえる一冊です。
ハラユキさんによれば、ワンオペ育児のモヤモヤの正体はひとつではありません。分解していくと――
・やることが多すぎる「物理的ワンオペ」
・パートナーとの関係に悩む「心のワンオペ」
・社会的な仕組みが生む「社会からのワンオペ」
・「がんばり」から抜けられない「ワンオペ体質」
という4つのタイプに分けられるといいます。
本書はこの4つのテーマごとに、実際に悩みを乗り越えた家族のエピソードを紹介しながら、私たちが参考にできる31のヒントを示してくれます。
私自身、特に心に響いたのはパートナーとのコミュニケーションに関するヒントです。協力的であるはずの夫に対しても「そうじゃない」「もっとこうしてほしい」と思ってしまうときがあり、どうすり合わせればいいのか分からないまま自分で抱え込んでしまうことがありました。
たとえば<ヒント10「主語」の使い方で「当事者意識」を引き出す>では、「あなた」「私」ではなく「私たち」を主語にして話すことを提案しています。
同じ家に暮らしていて 同じ子どもを育てていて
同じものを見ているはずなのに、
見えている世界のピントの合い方も
解像度も全然違うんです
自分が「大変」と
チラリとでも思ったら それは大変なの!!
がんばってるの!!
その気持ち 打ち消したり
甘えとか言わなくて
いーから!!
育児の中でうまく言葉にできないモヤモヤを抱えている人にこそ、手に取ってほしい1冊です。








