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2025.08.10

レビュー

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心はかけても手はかけない。元祖「イクメン」つるの剛士さん一家の“見守り育児”

「羞恥心」の頃から変わらないのは、まっすぐな優しさでした。

おバカキャラで笑いを届けてくれたつるの剛士さんが、今では5人の子どもを育てる“見守り育児”の実践者に。そんな彼が自身の子育てメソッドをまとめた著書『「心はかけても手はかけず」つるの家伝統・見守り育児 つるのの恩返し』には、家族への深い愛と、読者の心をそっと軽くするような言葉が詰まっています。

育休で深まった「子育てパパ」としての関わり

2男3女の父であるつるのさんは、第4子と第5子の誕生に合わせて2度の育休を取得。「イクメン」第一世代として、男性が子育てに関わる意義を実体験から語っています。本書の冒頭では、育休を取る決断をしたときの心境や、社会とのギャップに揺れる葛藤も赤裸々に綴られています。

「手を出しすぎない。でも、ちゃんと見ている」

タイトルにもある「心はかけても手はかけず」は、つるの家の子育て軸。子どもの世界に必要以上に干渉せず、でもいつも見守っている。距離はとっても、気持ちはしっかり寄り添っている。そんなスタンスで、つるのさんは「心配よりも信頼」を大切にしているそうです。

見守るって、こういうことかもしれない

我が家にも2歳の娘がいて、ふとしたときに夫と子育て方針について話すことがあります。「子どもは別の人格だから、なるべく本人の意思を尊重したいね」と話す一方で、私はつい先回りして手を出してしまいそうだな、と不安もありました。

そんな私の迷いに、本書はやさしく光を当ててくれました。
「手はかけずとも、目はかけ続ける」──。
子どもが何かに夢中になっている瞬間、目を輝かせている瞬間を、絶対に見逃さないようにする。その眼差しこそが、見守り育児の本質だと感じました。手を出すことは、実は“見なくても”できてしまう。でも、子どもの心が動いた瞬間をしっかり見つめて、それを応援するような関わり方を我が家でもやっていこう! そんな勇気をもらいました。

家族みんなで、ひとつのチーム

「見守り育児」を実践してきたつるの家の姿を知ることは、これから目指したい子育て像にひとつの道しるべを与えてくれます。ちょっと先を行く先輩家族の話として、背中を押された気持ちになりました。

“家族の中心で太陽のように笑う父親”というイメージは、バラエティで見せる姿と地続き。どちらも嘘のない、まっすぐな彼そのものなんだと思います。

そして、育休をきっかけに育児へ深く関わるようになったつるのさん。その経験から築かれた夫婦関係や家族の形は、まさに「令和」の理想形だと感じました。

つるの家は、「夫婦は対等」と言い切るのでもなく、「親が子を導く上下関係」とも違う。家族全員が“チーム”のように、それぞれの得意を活かしながら協力し合って日々を過ごしているのです。ときには子どもと一緒に全力で遊び、ときには“ファイナルウェポン”として父の威厳を見せる。そんな柔軟さとあたたかさが、つるの流・見守り育児の魅力だと感じました。

夫婦で読みたい「令和の子育て」のヒント

「子育てってどうしたらいいの?」と戸惑うパパママにとって、こうした“チーム型の家族”のあり方はきっとヒントになるはず。特に、男性の育休や家事参加が浸透しつつある今だからこそ、「令和の子育て」のヒントが詰まった1冊です。

焦らなくて大丈夫。つるのさんが、あの頃と変わらぬ笑顔と優しさで、そっと肩の力を抜く方法を教えてくれます。

子どもが心を動かしている瞬間、あなたはそばで気づけていますか?

レビュアー

Micha

ライター。フリーランスで働く一児の母。特にマンガに関する記事を多く執筆。Instagramでは見やすさにこだわった画像でマンガを紹介。普段マンガを読まない人にも「コレ気になる!」を届けていきます!

X(旧Twitter):@Micha_manga
Instagram:@manga_sommelier

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