私の場合、受験での蓄積で英語はなんとなく理解できる部分もあります。けれど他の言語はまったくわかりません。せいぜい挨拶の定番フレーズ程度で、あとは本当にチンプンカンプン。この「0」の状態を「1」にするだけでも、違う景色が見られるのでは……とぼんやり思っていたタイミングで、本書と出合いました。
100の言語をマスターしたという著者が、自身の経験を踏まえて、外国語を独学で学ぶためのノウハウを詰め込んだ本書。著者の東大卒という経歴に、(私みたいな一般人が対応できるのか……⁉)と不安になりましたが、読みえ終えた今、私はがぜん、やる気に満ちています!
本書が掲げる「独習」、その理由に共感! これなら私にもやれるかも⁉
また、「独習」の良さは「気楽さ」だとも語る著者。いつ、どこで、どれだけ、何の勉強をしようとも本人の自由であり、間違えても恥をかかないというメリットを提示。そして他の学問の場合、独りよがりだと正しい作法が身につかず「トンデモ化」のリスクもありますが、語学の場合は語学そのものに触れているだけでプラスの効果があると説いています。
そう、語学の学習はもっと気楽に始めて良いものなのです。
50のルールを踏襲すればスムーズに語学が身につく!
「訳文にこだわりすぎない」「写経は最強の暗記法」
たとえばドイツ語では、In der Stadt wird uberall gebaut.という文が可能です。きわめて機械的に直訳すると、「その街で(In der Stadt) そこかしこで(uberall) 建てられている(wird gebaut)」となります。(中略)日本語で単純に「その街のそこかしこで建てられている」と訳すのは違和感があります。「その街のそこかしこで家が建てられている」と、文脈から自然な主語を補って訳したくなります。ですが、ここで勝手に「家が」という主語を追加して訳してしまうと、元々の非人称文で表現されるべきニュアンスが失われてしまいます。この文章の主眼は、「家が」というモノではなく「建てられている」というコトのほうにあるのです。ここではむしろ「その街のそこかしこで建設工事が行われている」という訳のほうが原文のニュアンスに近いのです。
(uberallのuはウムラウトです)
もうひとつ、再確認できたのが、ルール33「写経は最強の暗記法」です。書くこと自体、あまり効率は良くないかもしれませんが、いくつもメリットがあると著者は言います。
・書き写すことは手の運動であり、難しいことを考えなくてもできる
→勉強時の準備運動にもなる
・成果物(書き写したノート)が残るのでモチベーション維持になる
・綴りのパターンを感覚で掴めるようになる
・「書く」技能は母語話者のレベルに迫りやすい

著者が様々な言語を独習してきたなかで蓄積したノウハウがたくさん詰まっており、経験則からの解説は説得力があります。冒頭でも触れた通り、「気楽に」勉強することを重視しているので、「私にもできそう」というやる気が湧いてくるのも本書の特徴。読み終えてから、さっそく本書でも記載されていたアプリをDLして、以前から学んでみたかったスペイン語独習を始めました。毎日数分でも、できるときに、気楽に続けていきたいと思います。
iHasta luego!
(iは逆さ感嘆符です)