「老い本」とは、「老い」「老後」について書かれた本のこと。高齢者の不安や欲望をダイレクトに反映している内容ゆえ、「老い本」を追うことで、「老いの精神史」が見えてくるのです。
著者の酒井順子さんは現在58歳の「未老人」。2003年の著書『負け犬の遠吠え』が流行語大賞にも選出される大ベストセラーとなり、その後も続々と話題書を書かれている人気著者ですが、今回、膨大な数の老い本を読み込み、老いの予習をし尽くしました。そして「老後資金」「死」「定年」といった重大事から、「一人暮らし」「ファッション」「移住」といった老後に気になるライフスタイルまで、テーマ別に解き明かしたのが本書となります。
酒井さんならではのカラッとした湿度低めの筆致によって、楽しみにも思えてくる「老い」をご堪能ください。
──学芸第一出版部 井本麻紀