ロシア政権の敵・ナワリヌイ氏の遺書ともいえる自伝は、無茶な条件でスタートしました。さらに困ったことに英語原稿が一向に来ない! 6月翻訳開始予定なのに原稿が届いたのは8月。しかも10万ワードの予定が16万ワードになっている! 急遽、翻訳者2人と翻訳協力者6人のチームをつくり、「厳戒態勢&猛スピード」で進行しました。
お盆休み、土日、連休、すべて返上してくださった翻訳者や校閲者には感謝しかありませんが、誰よりも「やり遂げろ!」と励ましてくれたのは、本の中の著者でした。暗殺の危機にさらされ、最終的に命を奪われながら叫び続ける。ナワリヌイ氏の自由への思いが、完成への牽引力となりました。知らぬ間に支配される世界は他人事ではないと訴える貴重な証言を、ご一読ください!
──ノンフィクション編集チーム 青木由美子