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2024.05.30

レビュー

『わたしを空腹にしないほうがいい』『桃を煮るひと』に続く、注目作家の最新エッセイ集。

6年前、くどうれいんさんのデビュー作『わたしを空腹にしないほうがいい』を手にしたとき、静かな衝撃を受けました。約80頁の文庫サイズ。「これが自分らしさ」。そんな印象の佇まいのエッセイ集でした。

その後のくどうさんの活躍はめざましく、小説、短歌、絵本など活動の場を広げ、熱い支持を集めています。最新エッセイ集となる本書では、パートナーとの新しい暮らしや、作家専業となってからの日々が綴られます。少し風変わりな書名も、読めば微笑ましく納得していただけるはず……。

ところで、「自分らしさ」って何でしょうか。くどうさんのエッセイは読むたびに、自分らしさを大切にすることを教えてくれる気がします。例えばそれは、日々の生活を見つめてそこに言葉を見出すこと。そんな読者へのメッセージが、本書にもにじんでいるように感じます。

──文芸第一単行本編集チーム K.H.

レビュアー

担当編集者

文芸第一単行本編集チーム

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