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2024.02.26

レビュー

毎日眺める「自分の顔」その深遠さをあなたはまだ知らない

デジタル時代の今、SNS上は美しく加工された顔写真であふれています。人が顔を認識する仕組みなどを研究する著者の中野珠実さん(大阪大学大学院教授)は、こうした現状を「技術革新が生み出した現代病なのかもしれない」と言い表します。では、なぜ人間は“理想の顔”に取り憑かれるのでしょうか?

本書はそのカギとなる「脳のはたらき」に最新科学で迫る一冊です。自分の顔を美しく見せようとすることと関わりのある脳の「報酬系」の仕組みや、顔の価値を“あるもの”と同じようにとらえる脳の部位など、顔と脳の密接で精巧な関係が次々と登場します。さらに、AIやアバターなどが発展する未来で顔の持つ役割はどう変化していくのか、中野さんは考察を深めていきます。

本書を通して浮かび上がってくるのは、他者と自分をつなぐ上での顔の重要性と、それを支える脳の多様で複雑な機能の存在です。

鏡に映る「自分の顔」が持つ新たな意味に、あなたは驚くかもしれません。

──学芸第二出版部 出口拓実

レビュアー

担当編集者

学芸第二出版部

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