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太平の世、忍びの技など無用の長物⁉︎ 〜畠中恵氏による軽快な甲賀忍者小説
横関大さんの『忍者に結婚は難しい』がTVドラマ化されてヒットするなど、注目を集めている忍者ですが、「しゃばけ」シリーズの畠中恵さんの新作は、甲賀忍者たちが主人公です。
忍者といえば、ありえない身体能力で崖を駆け登ったりするイメージ。それはそのまま、本作では時代が降るにつれ、閑職に甘んじるしかなかった甲賀忍者たちの胸の内をじっくりと描くお仕事小説でもあります。
戦国の世、その勝敗の鍵を握っていたといわれる忍びたちですが、世が安定してくると急速にその役割を喪(うしな)って、いわば「ロス」状態だったのですね。
その甲賀衆が、十代将軍家治のお世継ぎと目されていた、唯一の実子・家基の警護を任され、奮起することに。
小説現代4月号で、「東京で忍者に出会った件」という畠中さんの素敵なエッセイと、江戸城(つまり皇居)お散歩マップを載せていますので、ぜひ併せてご覧ください。
──小説現代編集チーム 奥村実穂
- 電子あり
忍びは再び輝ける?
いつの間に我らは、ただの警護になっていたのだ?
滝川弥九郎は甲賀忍びの末裔。かつて戦国の世では、伊賀者と並び勝敗の鍵を握る者だったのに、今や日がな一日、江戸城の警護をするために番所に座っているだけ。忍びの技はひっそりと伝えられているが、それを使って何かをなす機会もない。おまけに上がらない禄を傘張りの内職などで補わなければならぬ始末……。
大人気シリーズ「しゃばけ」の著者による軽快な忍者もの。
- 電子あり
甲賀の忍び、弥九郎たちは果てしなく渦巻く陰謀から、家基を守り抜けるのか?
家基の警護として取り立てられた甲賀の忍び、弥九郎たち。喜びに沸くのも束の間、江戸城の西之丸御殿に裏切者が出没しているという噂が流れる。”若君殺しの毒”とされる斑猫の毒が活発に売買されているというのだ。 真相に迫るべく、田沼意次と対面して思わぬ話を聞いた弥九郎は何者かに襲われ、さらに謹慎を食らうが……。
大人気シリーズ「しゃばけ」の著者による軽快な忍者もの。
レビュアー
小説現代編集チーム
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