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“純外国人”が日本語で書いた衝撃のデビュー作【野間文芸新人賞受賞】
(著:リービ 英雄 解説:富岡 幸一郎)
史上初の日本人の血を一滴も持たない日本文学者のデビュー作。「血とか母国とかどうでもいい」と心から言い切れればステキですがそうはなれず、「えっ、アメリカ生まれのアメリカ人が書いたの?」という驚きを禁じえません。しかし描かれる青年期の葛藤、世間に対する違和感は日本で暮らす金髪ロン毛碧眼の青年を通すことで、よりくっきりと描き出され、ベンが言葉や偏見や国を越えようとするように、いつしか読んでる方も、そんなもの越えてしまおう、いや越えた!みたいな気分になってきます。素晴らしい本でした。(カラスヤ)
- 電子あり
横浜の領事館で暮らす17歳のベン・アイザック。父を捨て、アメリカを捨て、新宿に向かう。1960年代末の街の喧騒を背景に、言葉、文化、制度の差を超え、人間が直接に向き合える場所を求めてさすらう柔らかな精神を描く野間文芸新人賞受賞の連作3篇。「日本人の血を一滴も持たない」アメリカ生まれの著者が、母語を離れ、日本語で書いた鮮烈なデビュー作。
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。近刊に新書館『カラスヤサトシの孫子まるわかり』、講談社『カラスヤサトシ』9巻、リイド社『カラスヤサトシの戦国散歩』があります。
近況:何十年ぶりにキャンプに行ってきます、知らない人も来ます、まったく寝れない予感がします。
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