父親や親族のさまざまな死について回想する。そしてトンボ、カエル、フナ、カニ、ヘビなどの動物の想い出を描く。この両方が織り混ざることで、えもいわれない、現代になる前の人の死生観というものが感じられる気がします。四季を通じてくり返される動物たちの死と誕生、その中に少しずつ溶け込んでいくような人間の死。幻想や異界がすぐそこに共存しているような、かつてあった日常。(カラスヤ)
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。近刊に新書館『カラスヤサトシの孫子まるわかり』、講談社『カラスヤサトシ』9巻、リイド社『カラスヤサトシの戦国散歩』があります。
近況:胆石ができました、胆嚢とってきます。手術よりも、尿道にさすやつの方が憂鬱です。