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【最強の食魔】魯山人は景色を黒パンに、長屋を塩辛に変えた!
(著:岡本かの子)
「黒パン」の段階ではまずそうな例えをしているのかと思いきや、「塩辛」ときて、どうやらおいしそうな例えをしているようだと、ビックリします。ねばねばした感じの建物の味など考えたくもないですが、さすが食魔です。解説によると、この主人公は北大路魯山人をモデルにしているというのが定説だそうで。トンネル横町は作中おそらく明治初期の洋風建築の名残とあり、どうやら現在は残ってないようです。(カラスヤ)
命の意味を問う食にまつわる究極の食文学選。毎晩泥鰌をねだりにくる老彫金師と女将の秘められた情念を描いた「家霊」。食という魔物に憑かれた男の物語「食魔」他、「生命とは何か」を問う小説、随筆を精選。
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。近刊に新書館『カラスヤサトシの孫子まるわかり』、講談社『カラスヤサトシ』9巻、リイド社『カラスヤサトシの戦国散歩』があります。
近況:昼夜逆転というよりも、昼夜問わず寝てる感じの暮らしな気がしてきました。
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