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【まさに極限状態!】原爆投下から終戦まで、特攻隊員の異常な日常

その夏の今は・夢の中での日常
(著:島尾敏雄)
2017.02.12
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原爆投下から終戦の日の前日までの特攻隊員の出動命令を待つ日々。感覚は鋭敏になって、過去と未来は平行するみたいに頭の中に展開し、時間がものすごく速く流れると同時に、ものすごくゆっくり進んでいるようで、目は蒸発する海の水の泡立ちや雲が色を変えていく様子を見ている。極限状態の時のもののとらえ方を追体験しているようです。恐ろしい。(カラスヤ)

『その夏の今は・夢の中での日常』書影
著:島尾敏雄

 人間の存在を揺るがす根源的な不安を、心の奥深くに刻んだ即時待機の特攻体験。終焉の日常は暗く美しい光を放ち、〈夢〉の世界へと飛翔して行った。死をかかえ込み極限を生きた特攻隊員の異常な生の日々を、穏やかな島の人々の生活と対比させ、鋭い感性で描く「出孤島記」など、生と死のはざまで、現実と非現実、日常性とは何かを問う島尾文学傑作7編。

レビュアー

カラスヤサトシ イメージ
カラスヤサトシ

1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。近刊に新書館『カラスヤサトシの孫子まるわかり』、講談社『カラスヤサトシ』9巻、リイド社『カラスヤサトシの戦国散歩』があります。

近況:インフルエンザが、うちのまわりではどうやら西の方から近づいてきてる感じで、気味悪くもどこか神秘的な気もします


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