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【やばい動画】廃校を描く女子高生、れなれなさんの黒板アートが凄い!

装画:れなれな(画家)
「あと一年。子供たちに何をしてあげたらいいんだろう」
2016.10.01
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内容紹介

閉校が決まった小学校には、四人の先生がいる。十津川村に赴任して一年の香澄、頼りないながらも子供たちに慕われるよし太、自ら選んで僻地教育に従事する律子、そして校長の山中だ。村内に中学校がない十津川では、七人の生徒と子供の親、村の人々の生活の中心には小学校がある。六年生の卒業式までの波瀾万丈の一年を、子供たちと教師の視点からあたたかく描く、涙腺決壊のエンタテインメント。

著者メッセージ

僕は学校も先生も嫌いです。登校拒否の経験もあり、筋金入りの学校嫌いです。物語でも、教師ものだけはどうも肌に合いません。熱血先生も泣き虫先生もヤンキー先生も、自分が生徒だったらさぞかしうっとうしいだろうな、と身ぶるいするぐらい苦手です。

それならば自分が理想の学校と先生の小説を書こう。そう思い立ち執筆したのが、この『廃校先生』です。

そこで、奈良の十津川にある小学校を取材させていただきました。その学校は、2017年で廃校が決定しています。そこであらためて、「学校とは何か?」「先生とは何か?」を自分の心に問いました。そして自分なりの答えを、この作品に詰め込みました。

『廃校先生』という題名が決まったとき、僕も編集者さんも同時に、「表紙はれなれなさんの黒板アートでどうですか?」と口にしました。廃校先生という響きと彼女の校舎のイラストが、二人の頭の中で寸分の狂いもなく一致したのです。もう彼女の黒板アート以外に廃校先生の表紙は考えられないと思うぐらいです。

幸運に恵まれ、その希望が叶いました。れなれなさんは想像をはるかに超える素晴らしい絵を描いてくださいました。れなれなさんありがとうございます。

この小説を読み終えたとき、もう一度表紙を見なおしてください。そのとき、「私もこの学校で、仲村よし太先生に学びたかったな」とみなさんに思っていただければ、作者としてこれほど嬉しいことはありません。

浜口倫太郎(はまぐち・りんたろう)

1979年奈良県生まれ。2010年、『アゲイン』で第5回ポプラ小説大賞特別賞を受賞しデビュー。放送作家として「ビーバップ!ハイヒール」「クイズ!紳助くん」「たかじん胸いっぱい」などを担当。他著に『宇宙にいちばん近い人』『シンマイ!』がある。次作は神社を巡る旅を描いた『神様ドライブ』を2016年12月下旬に刊行予定。

書店員コメント

なんてムチャクチャな先生なんだ……とあきれながら読んでいたのに……これはずるい。各章のエピソードが良すぎて、仲村先生を好きにならずにいられない。先生だけでなく、子どもたち、子を見守る親たち……。強すぎるくらいのつながりと近すぎるくらいの距離で子どもや地域の人たちと関わる学校。こんなすてきな学校で、こんなに魅力的な先生に出会えたら、それは一生の宝物になるだろう。

大垣書店イオンモールKYOTO店 辻香月さん

豊かな自然、温かい人情、かけがえのない絆……全編を貫いているのは、誠実に生きる魂そのもの──。人に教えて人から教わり……“成長”は子どもだけの特権ではない。大人だってもっと大きくなれるのだ! 現代人が忘れかけている大切な何かを気づかせてくれるこの一冊は、人肌の温もりと挫折を乗りこえる強い生命力にあふれている。ドラマチックな場面も盛りだくさん……。爽やかな風を感じながらこの物語をしっかりと目に焼きつけておこう──心からそう思った。この学校は皆の母校だ!

三省堂書店営業企画室 内田剛さん

あたたかい!お話ですね。そして、そのあたたかさに思わず、何度も涙ぐんでしまいました。鼻くそほじくっているけれど、よし太はなんていい先生なのだろう! (こんなおにぎりをつくれる人になりたいです)少ない人数で、築き上げた絆は、幼なじみというよりは、もうそれ以上の関係ですね。時が過ぎていくなんて、子供の頃には気がつかないものですが、振り返られる場所がずっとあるというのは、うれしいものです。

有隣堂伊勢佐木町本店 佐伯敦子さん

こんな先生に出会いたかった! 「よし先生」ことよし太が生徒たちと熱くぶつかり合う姿に感動しました! よし太も思い悩み、生徒や同僚と共に成長していく。読んでいるうちに、私も学生の頃を思い出し、こみあげるものがありました。読み終わった後は、よし先生の鼻をほじる姿がかっこよく見えます!!

丸善名古屋本店 竹腰香里さん

教育の理想と現実、人の幸せって何か? お子さんをお持ちの方は特に考えさせられるのではないでしょうか。教科書と向き合うだけでは得られない大切なものがこの町、この小学校にはある! 子供も大人も人間として成長していく姿に胸がいっぱいになりました。

SHIBUYA TSUTAYA 内山はるかさん

子どもは大人に導かれ、大人は子どもに元気づけられる。そして、学校はそれを支える場所だった。

正文館書店 鶴田真さん

装幀画のどこか懐かしい木造校舎にまず惹かれた。

昭和堂 朝比奈修さん

生徒たちや教師、親、みんなが涙する度に私も一緒に泣いてしまいました。あたたい大切な時間が詰まっていて、晴れやかな気持ちになれる作品でした。

萬松堂 吉岡彩佳さん

何度も読み直したくなって、そのたびに泣いてしまう素晴らしい作品でした! 個性豊かな登場人物たちが、それぞれの生きる道を模索しながら懸命に過ごす日々に感動です!

平安堂若槻店 岩村陽子さん

十津川村の息吹を胸一杯に吸い込んで、たくさん元気を貰いました。有難うございます! 卒業は、新しい世界の入り口で、別れは、再会に向けての始まりである。出て行く者、残る者、夢を膨らませる者、夢が破れそうな者。それぞれの人生のドラマが、8年後に重なった時、十津川の村は、喜びに震え、読者は凄まじい感動に身体を持っていかれるのである。ハンカチもジャージも、黄色は幸せのシンボルだね。

大垣書店高槻店 井上哲也さん

担当者コメント

書店員のみなさまからのご感想を読み、胸が熱くなりました。前作『シンマイ!』では、日本の米作りを活写した浜口さん。読むとお腹が減り、お米がさらに好きになりました。今回描くのは“先生と生徒”。読むと先生が好きになる──そういう作品になっていたらいいな、と思います。

カバーと表紙のイラストは、本作の舞台となった、来年廃校になる十津川村の小学校を、れなれなさんに描いていただきました。れなれなさんは「ダークソウル3」「アリス・イン・ワンダーランド」「ドラゴンクエストヒーローズⅡ」や、宮部みゆきさんの『過ぎ去りし王国の日』装画などで大人気の白墨画家です。古い校舎の凛々しさ、閉校になることの寂しさが詰まった素晴らしい絵を描いてくださいました。装幀も楽しみにしていてください。

(文芸第二出版部 鍜治)

『廃校先生』書影
著:浜口倫太郎

閉校が決まった小学校を舞台に、教師と生徒、それぞれの視点から最後の一年が描かれていく。一章ずつ読み進めるにつれ、かけがえのない時間が過ぎ、子供たち、親たちの気持ちが胸に沁みこむ。大切なものは、いつまで経っても変わらないものだった――。親と子、教師と生徒、学校と地域の関係を丹念に描き出す感動長編。

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