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数学は苦手、数学は嫌い、数学はよく分からない──。数学について尋ねると、たいがいの方がこのように回答します。「文系だから」「理系だから」という言葉にもある種、数学を敬遠する気持ちが込められて使われることが多いようです。
しかし数学の基礎となる算数、とりわけ計算の基礎は、私たちが日常生活を送るうえで頻繁に使われています。例えば買い物をするとき、家具の配置を考えるとき、ダイエットでカロリー計算をするとき、常に計算の知識が必要とされますし、仕事においては計算なくして進められない業務もあるでしょう。計算の前提条件に対する読解力も求められます。数学の知識は、私たちの生活と密接な関係があるのです。
今回は、苦手とする人もこれから学び直しをしたくなるような数学の入り口の本から、入試対策までバッチリお任せの本格的なテキストまで集めました。数学力を身につければ、仕事の効率アップも間違いありません。楽しい数学の世界へようこそ!
ラクラク数学入門
“数学”と聞いただけでアレルギー反応を起こす方は多いようですが、それはきっと数学で使われるさまざまな公式を、中間試験や入学試験のためにだけ暗記して、その本質を理解できなかったからではないでしょうか。いわば、“食わず嫌い”の状態だったかもしれません。
この章では数学の入り口となる本を集めました。問題で何を求められているかを考え、解き方を学べば、これまで手に入れることのできなかった“解”が見つかるはずです。
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時は1900年初頭、花のパリ。ある重大な数学者会議に出席するため、世界中から名だたる数学者たちが集まってきました。その会議でスピーチをした著名なドイツ人数学者X教授が、ある日、何者かに殺害されているところから物語はスタートします。容疑者はみな数学者で、彼らの言い分はすべて数学の知識に基づいたもの。それらを解き、彼らのアリバイを証明していかなければなりません。
美しいフルカラーコミックで数学を題材にしたミステリーを展開する本書は、ヨーロッパの教育界で大絶賛された一冊。対象読者は「数学の知識が少しある人」と「まったくない人」ということですので、構えず気軽に読んでみましょう。中学程度の数学の知識があれば解ける難易度であり、数学の歴史や歴史的数学者たちについても学べます。
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算数コンプレックスの人に絶対おすすめの一冊! 頭を柔らかくする算数問題を、ユーモアあふれるキャラクターが優しく楽しく解説します。小難しい方程式や公式がなくとも、ちょっと頭をひねればあんな問題やこんな問題も簡単に解けるのです。
例題2:仕事算
ある仕事をするのに、Aが1人でやると24日かかり、Bが1人でやると40日かかります。この仕事をAとBが一緒にやり始めましたが、途中でAが8日間体調を崩して休んでしまったため、その間はBが1人でやりました。AとBが一緒に働いたのは何日間ですか?
数学で鍛える知性・仕事力
数学の問題には独特の言い回しが多く、それが分かりづらいと考える人も多いようです。しかし問題を解くための大前提となる問題文で、「何を求められているか」を理解できなければ先に進めないのは、なにも数学に限った話ではありません。柔軟に発想する力や問題文に隠されたヒントを探す力は、業務を円滑に進め、課題に対するよりよい施策を考える能力を培ってくれます。大人になって固くなった頭を柔らかくしてくれる、これらの本で頭の体操を始めましょう。
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思考力を鍛えるのに最適な、正統派数学パズルの決定版! 著者はアマチュア・パズル作家で、本書では数学のさまざまな分野から出題されていますが、図やイラストをふんだんに使っており、全編とおしてパズルの楽しさを満喫できる一冊です。序章では例題を挙げて数学パズルの基本的な解き方を解説していますので、数学だからと尻込みする必要はありません。古典的な数学パズルをベースにした問題から、辛口でかみ応えのある問題まで、幅広く50問を出題しています。
頭の体操とパズルが好きならぜひチャレンジを!
例題3:板チョコのうまい割り方
5×6個に割れるように溝が切ってある板チョコがあります。
これをバラバラにするには、少なくとも何回割ればいいでしょうか。ただし、割るときは重ねたりせずに、必ず1枚ずつ割ることにします。
(1)25回 (2)27回 (3)29回
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数学の問題文を正しく理解し、問題を解いていくプロセスには「読解・分析力」「翻訳力」「目標設定力」「遂行力」の4つの力が必要であり、これらを身につけることで本質を見極める洞察力が鍛えられるとのことです。この4つ、どこかで見たことが……? そう、これこそが業務を成し遂げるのに必要な力なのです。
例題4:還元算
入試も学び直しもお任せの一冊
少し頭がこなれてきたら、ぜひこちらの本に挑戦してみましょう。一見、難しそうで逃げ腰になりそうな中学、高校、大学入試の問題を、実に分かりやすく、丁寧に解説した本格的なテキストです。入試に必要な“解く力”を養うこれらの本は、試験のみならず、大人になって改めて数学を学び直したいと考える人にも最適です。解けなかった問題が解ける喜びをもう一度、この章で味わってみてください。
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「数学ロングトレイル」三部作(2016年1月三作目発行予定)の第二作目。近年は、大学を卒業してから改めて数学を勉強し直す社会人が増えています。この「数学ロングトレイル」シリーズは、そうした昔、数学をかじって数式もきちんと理解できる方々向けの、ちょっとレベルの高い数学の再入門書として登場しました。本書は高校数学でも重要なトピックスである「ベクトル」を取り扱った一冊で、一対一の対話形式で丁寧に、徹底的にベクトルを解説しています。会話で触れられる問題への着眼点をもとに、ベクトルの理解を深め、より高度な数学力を身につけることができます。
数学はよく登山に例えられるそうです。そんな数学の山々の中を、まずはトレッキングで足慣らしをしながら散策してみませんか?
例題5:ベクトル
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前述の「数学ロングトレイル」三部作の第一作目となる本書は、高校数学を基準に、大学入試はもちろん、大学入学後につまづくポイントを丁寧に押さえた本格テキストです。もちろん、学び直しを検討している社会人にも最適。確実に理解力が深まり、試験問題対策もバッチリのこの一冊で、数学の学び方を再認識してみましょう。
例題6:不定方程式
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