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(著:荷午(かご)/王 小和(おうしょうわ) 下訳:阿部 禾律(かのり) 訳:島田 荘司)
二足で立つ動物の肖像画が目印のこちらの作品の舞台は、西暦2333年の動物王国の首都・動物城。人間と並ぶ知能を得た動物は独立を試み、それを受け入れられない人間との長い戦闘の後、冷戦状態の中で事件は起きます。ロバの探偵・ブレーメンのもとにワニのネロ将軍から「人間の大使が殺害された、犯人探しをしてほしい」という依頼が。真犯人を早急に見つけ、正しい手はずで公表しなければ、新たな戦争に繫がりかねません。誰がどうやって殺したのか──? ブレーメンは、助手であるカエルのアグアとともに不可解な事件の調査に乗り出す、というお話です。
中国で刊行された奇想ミステリを、ゴッド・オブ・ミステリーの異名を持つ島田荘司さんが超訳したこちらの作品。魅力は、作品に登場するたくさんの動物たち。可愛らしい描写に癒やされる……と思いきや、本格ミステリの要素ももちろんたっぷり詰まった、異彩を放つ作品となっています。ぜひご一読ください!
──文芸第三出版部 關晴奈
- 電子あり
動物王国の首都・動物城一番の探偵・ブレーメンのもとに、ワニのネロ将軍がやって来た。人類から派遣された大使が殺害されたという。いち早く真犯人を見つけ、正しい手はずで公表しなければ、新たな戦争につながりかねない。ブレーメンはカエルのアグアとともに不可解な事件の調査に乗り出す。
レビュアー
文芸第三出版部
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