今日のおすすめ
(著:くどう れいん)
6年前、くどうれいんさんのデビュー作『わたしを空腹にしないほうがいい』を手にしたとき、静かな衝撃を受けました。約80頁の文庫サイズ。「これが自分らしさ」。そんな印象の佇まいのエッセイ集でした。
その後のくどうさんの活躍はめざましく、小説、短歌、絵本など活動の場を広げ、熱い支持を集めています。最新エッセイ集となる本書では、パートナーとの新しい暮らしや、作家専業となってからの日々が綴られます。少し風変わりな書名も、読めば微笑ましく納得していただけるはず……。
ところで、「自分らしさ」って何でしょうか。くどうさんのエッセイは読むたびに、自分らしさを大切にすることを教えてくれる気がします。例えばそれは、日々の生活を見つめてそこに言葉を見出すこと。そんな読者へのメッセージが、本書にもにじんでいるように感じます。
──文芸第一単行本編集チーム K.H
- 電子あり
ふたり暮らし。書くこと。前を見て進むこと。
日々の手ざわりがあざやかな言葉に変わる。
ロングセラー『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』に続く、注目作家の最新エッセイ集。
レビュアー
文芸第一単行本編集チーム
関連記事
-
2023.12.01 レビュー
待望の芥川賞受賞後第一作! 心ふるえる5編の傑作小説集
『共に明るい』著:井戸川 射子
-
2023.09.01 レビュー
年を重ねてこそ輝く。 アラ還世代の心にしみる恋の物語
『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』著:川上 弘美
-
2023.08.30 レビュー
第169回芥川賞候補作。いま文学界がもっとも 注目する才能が放つ、異色の職人小説!
『我が手の太陽』著:石田 夏穂
-
2023.07.30 レビュー
すべての料理は、人を癒やす「くすり」になる。今夜、ひとりでキッチンに立ちたくなる一冊。
『キッチン・セラピー』著:宇野 碧
-
2023.07.13 レビュー
第17回小説現代長編新人賞受賞作! 奇跡の花と不思議な青年をめぐる、再生の物語。
『うるうの朝顔』著:水庭 れん
人気記事
-
2024.09.05 レビュー
【緊急出版】石破茂、もうこの男しかいない。今こそ保守リベラルの原点に立ち返れ。
『保守政治家 わが政策、わが天命』著:石破 茂 編:倉重 篤郎
-
2024.08.21 レビュー
【自民党と裏金】安倍派幹部はなぜ逃げ延びたのか。その答えがここにある
『自民党と裏金 捜査秘話』著:村山 治
-
2024.08.23 レビュー
橋下徹の画期的提言! 自民党がどうであろうと野党が腹を括って決断すれば「政権変容」できる
『政権変容論』著:橋下 徹
-
2024.09.23 レビュー
【介護保険】申請しないと始まらない! しくみと使い方がわかる入門書
『最新 図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本』監修:牛越 博文
-
2024.09.19 レビュー
大マジメなのに何かがズレている……! 本気なのに「ざんねん」な乗り物たち
『ざんねんなのりもの事典』編:講談社ビーシー