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どこから読んでも愉しめる上質の哲学エッセイ
哲学はむずかしい。「難しいことを考える」のが哲学なのでしょうから、それも仕方がないことではあります。でも、「難しいことを面白く書く」ことは可能であって、『読む哲学事典』はそのお手本のような一冊ではないかと自負しています。といっても、「中学生にもわかる」といった表層的な平易さとか、おなかを抱えて笑うようなギャグがあるわけではありません(なんとも言えない独特の稚気にあふれてはいますが)。現代哲学の重要な論点に触れるので、なかなか手応えのある内容ではあります。それでも、不思議と「読ませる力」がみなぎった文章で、それこそがこの著者が長く愛されてきた魅力の核心だと思います。
この本は事典と称していますが、エッセイ集でもあります。愛と暴力/期待と希望/保守主義と左翼……概念を対にした各項目は、どこから読んでもいいようになっています。どうぞ気になるところから開いてみてください。
──学芸第三出版部 青山遊
- 電子あり
本質と時間/愛と暴力/ここと私/正義と詩人……。
ある概念と別の概念を対にしてみると、思いもよらない連関が生まれ、ありふれた言葉から豊かな哲学の問題が立ち上がってくる!
現代哲学の重要論点のみならず、文学、芸術、宗教、科学、政治を自由闊達に横断。一人ですべての項目を書き切った事典にして、どこから読んでも愉しめる上質の哲学エッセイ。
レビュアー
学芸第三出版部
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