お正月、久々に親戚一同で集まると、乾杯の前に、ちょっと気の利いた時事ネタ入れたスピーチをしちゃう人、いますよね。この本は、まさにそんな方(まるで私の父のよう……)を思い浮かべながら編集した一冊なんです。
2024年は辰年ですが、そもそも十二支の中で、なぜ龍だけが「空想の生きもの」なのか。ドラゴンクエストしかり、西洋の龍は悪者なのに、東洋の龍は“めでたさの象徴”なのはどうして? 正倉院に「龍の歯と骨」が収められている、ってそれは何!? 四方から財宝を寄せるといわれる「銭龍」ってご存じですか。そういえば竜宮城って、海中の龍のお城のことだった! ──などなど、中国文化を長年研究し続けた著者が集めた逸話は縦横無尽。龍の図も豊富に掲載しているので、眺めるだけでも飽きません。そろそろ年賀状の準備も始まる時期。是非この機会に龍のウンチク噺を仕入れて、12年に一度の辰年を、存分に楽しんで下さい!
──学芸第三出版部 原田美和子
レビュアー
学芸第三出版部