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愛と狂瀾のメリークリスマス! 日本人がクリスマスを楽しむようになった理由

日本にキリスト教がもたらされたのは、1549年、戦国時代のことです。当時、カトリック教会の男子修道会であるイエズス会は、世界各国へ赴いてキリスト教の布教活動を行っていました。日本にやってきたのは、そのイエズス会創設者のひとりであるフランシスコ・ザビエルを始めとした、たいへん熱心な宣教師たちでした。

しかし、豊臣秀吉による伴天連バテレン追放令に始まり、徳川家光の時代に完成された鎖国により宣教師たちは追放されてしまい、以来、キリスト教に対する長く厳しい弾圧の時代がやってきます。

それから時を下ること200年、明治時代になって再びカソリックやプロテスタントの宣教師たちがやってきて、教育や社会福祉などのさまざまな事業を通じて日本の社会に根付いていきます。

ところで、実は日本におけるキリスト教徒の割合は1~2%といわれています。それなのに、なぜ私たちはクリスマスを祝い、聖書やクリスマスに由来する物語を受け入れているのでしょうか。

2019.12.12
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クリスマスのお祝いが異端!? 日本人はいつからクリスマスを楽しんでたの?

物心ついたときから「クリスマス」を認識していた方はとても多いことでしょう。さかのぼると、幼稚園のイベントからかも……なんて話も。
12月24日はクリスマス・イブ、12月25日がクリスマスと、この両日にイエスの生誕を祝う行事が行われます。

12月に入れば街中がクリスマスの飾り付けで賑やかになります。いつの頃からか、主要な商業施設には大きなクリスマスツリーが現れ、そのきらびやかなイルミネーションはかっこうのデートスポットになりました。
テレビではクリスマス・ソングをフィーチャーしたCMが流れ、おいしそうなチキンやケーキを予約しなければと購買意欲をあおられます。

「クリスマス・パーティー」などと称して家族や友人、恋人同士で特別な宴席を設ける風潮がありますね。

しかし前述のとおり、日本におけるキリスト教徒はわずか1~2%程度。信者でもないのに、なぜ日本ではクリスマスを盛大に祝うのか、それがいつから始まったのか不思議に思う方は多いのではないでしょうか。
その疑問に答える1冊をご紹介しましょう。

『愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか』書影
著:堀井 憲一郎

本書は、ローマ帝国終盤の時代に国教にまで取り上げられたあとはヨーロッパ中に伝播し、やがて日本にまでやってくるキリスト教の簡単な歴史を眺めながら、日本において「クリスマス」がどう伝わり、どうお祭りに発展していったのかを分かりやすく解説しています。
「なぜイエスの誕生日が12月25日になったのか」は意外ではありつつ、キリスト教の歴史から見れば納得の重要ポイント。
また日本において、クリスマスをお祭りの日として楽しむ歴史が、意外にも古かったことも本書に記されていますが、お祭りの日どころの騒ぎではない熱狂ぶりにも驚かされます。
雑学好きなみなさん、年末の宴席で披露する雑学ネタのひとつにおすすめの1冊ですよ。

やっぱ人間だもの、聖書の登場人物だってこんなふうに考えてたよね

クリスマス・イベントに付随して、キリスト教にまつわる逸話を知る機会が多くあるようで、いわゆる「聖書」に記されている物語のいくつかは、キリスト教徒でなくともよく知られているようです。

たとえばキリスト教圏の文学や絵画、戯曲のほか、ドラマや映画、音楽においても、キリスト教の教理に沿った内容であったり、聖書の言葉が引用されていたり、聖書に描かれる物語をモチーフにしたりといったものがあり、私たちは意外なほどキリスト教や聖書に関連する文化に触れる機会を持っているようです。

そうはいっても、キリスト教徒ではないのに自発的に聖書を読む機会というのはそうそうありませんし、なんだか小難しいことが書いてありそうで気後れする、という方もいることでしょう。
難解さを排除して、ゆる~く、分かりやすく、聖書に出てくる登場人物に焦点を当てたこの1冊を試してみませんか?

『上馬キリスト教会ツイッター部の世界一ゆるい聖書教室』書影
著:MARO/LEON

10万人のフォロワーを持つ上馬キリスト教会Twitterアカウントの中の人たち、MAROさん、LEONさんおふたりによる上馬キリスト教会シリーズ第2弾!

大好評だった第1弾の『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』では聖書とキリスト教の世界の概要を、ゆる~く、ざっくりと解説していますが、今作では人間にスポットを当てています。

「目からウロコが落ちる」ということわざが聖書由来のものであることは、前作でも書かれた意外なトリビアですが、本書でも聖書の登場人物を軸にした、ためになるさまざまな逸話が飛び出てきます。

彼らの言動から垣間見える、壮大な聖書の世界観が容易につかめることでしょう。

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