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【ワイン選びの科学】デートで失敗する、恥ずかしい誤解とは?

今年はクリスマス・イブが休日に挟まれて、ゆったりできる3連休の週末です。クリスマス・パーティーや忘年会など、お酒を伴う楽しい会合で2016年を締めくくるという方も多そうです。
まず乾杯にビール、その後は、日本酒、焼酎、ハイボールなど思い思いのお酒を楽しまれることでしょう。
そんなお酒のなかでもさまざまな食事に不思議とマッチする、ワインのトリビアを紹介します。常識と思っていたことが誤解だったりすることも多いので、この機会にワインの取り扱いについてしっかり学んでおくとGOODです。

2016.12.23
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誤解も多いがトリビアも満載。会話も弾む楽しいお酒

ワイン インスティテュート オブ カリフォルニア(カリフォルニアワイン協会)が2015年11月に発表したところによると、日本での1人当たりの年間の平均ワイン消費量は、2.73リットルということです。以前よりワインが手軽でカジュアルな飲み物になってきた印象がありますが、それでもとても少ないことに驚く方も多いのではないでしょうか。
世界で最も多くワインを消費する国はバチカン市国なのだそうです。なんと1人当たり年間平均54.26リットル! あんな小さな国でどれだけのワインを消費するのか驚くばかりの数字ですね。
日本では2012年から第7次ワインブームに入ったと言われていますから、もっとカジュアルに飲んでみませんか?

  • 電子あり
『ワインの科学』書影
著:清水健一

本書は、農学博士、技術士であり、ワイン醸造技術管理士の資格を持つ「ワイン博士」清水健一氏による、ワインの美味しさをとことん追求する1冊です。
ドイツと日本で、ワインや焼酎ほかさまざまなお酒を科学的に研究し、醸造、商品開発、マーケティングなどに深く関わってきた氏の豊富な経験をもとに、ワインを科学的に、やさしく解説しています。
氏によれば、いわゆるワインの常識とされていることには誤解が多いらしく、ワイン愛好家やワイン販売に従事する方などから寄せられるさまざまな疑問に丁寧に答える本書のQ&Aは実に明快。気取らず、気軽にワインを楽しむことをすすめている氏ならではの切り口で、ワインの秘密に迫ります。
氏曰く、「自分の好みに合わせた選択と飲み方に徹すること」「安価なワインでもOK」「一本一本が個性を持つワインの場合は、その個性を賞味するだけで十分」ということですから、本書を片手に、楽しいワインのひとときをお過ごしください。

Q1.開栓したワインは早く飲まなければならない?

高級ワインで繊細なブーケ(※編注:ワイン熟成中に生まれる香り)を持つようなワインは例外として、大部分のワインについてはウソです。

まず答えは、「開栓しても、キャップをして冷蔵庫に入れておけば、最低でも1~2週間は大丈夫」です。ただし、ワインがびんの底にわずかだけ残っている場合は話が別です。

わが国の家庭では、開栓後の清酒が台所の片隅に室温下で置かれ、ワインが冷蔵庫に入れてある光景をしばしば見かけますが、二者択一の場合は、むしろ清酒を冷蔵すべきでしょう。

ワインは抗酸化物質のポリフェノールを含み、かつpHも低いため、清酒やビールよりもずっと長持ちする飲み物です。

食品、酒類、飲料などの品質が低下していく主な原因は、腐敗など微生物に起因する場合を除いては、酸素です。ワインの場合は、ワイン中に溶けていたり、びんの上部空間に存在する空気、さらに言えば、空気の5分の1を占める酸素とワインの成分の化学反応が品質低下の原因となります。

ただし、ワイン中で微生物が増殖した場合は、原因は微生物です。その場合は、ワインが濁っているか、オリを生じているので、「ワインに濁り、オリがない場合、その品質の低下原因は酸素とワイン中の成分の化学反応である」と言いかえることができます。

Q2.それじゃあどうやって保管するのがよい?

ワインは涼しい所で保存します。これは、酸素とワイン中の成分との化学反応が、低温になるほど遅くなるためです。

また、日光や強い光に当たらないところに保管します。日光の中のある波長の光が、ワイン中の成分と酸素の化学反応を促進するからです。

ところで、コルクではなくスクリューキャップのワインを横に寝かせて保存する人がいますが、まったく無意味です。ワインを横に置くことに意味があるのではなく、ワインのコルク栓を湿らせておくことが目的です。横ではなくとも、逆さでも斜めでも、ともかくコルク栓が湿っていればよいのです。

コルク栓が乾燥していると空気、そのうち20パーセントを占める酸素を通しやすくなります。コルクが湿っていれば、空気の出入りは非常に少なくなります。

またコルクが乾燥していると、抜栓のときにボロボロになって、失敗する確率が高くなります。

飲み残したワインはどうすればよいでしょうか。飲み残した量が少ないほど空気の入った上部空間が広くなるため、ワインに対する酸素の比率が高くなってしまいます。そこで、例えばレギュラーサイズボトル(700~750ml)を半分残したなら、2分の1のサイズのボトルに移して、スクリューキャップをして冷蔵庫に入れておきましょう。

さらに2分の1のワインを半分残したら、元のサイズの4分の1のサイズのボトルに移します。常に満量か、それに近い量のワインが入る容器に移し替えます。

もちろん、移し替えはなるべく静かに行って、ワインの中への酸素の溶け込みを最小限に抑えてください。

これで大部分のワインの寿命は5~10倍に伸び、数ヵ月保存可能になることもあります。ぜひ試してみてください!

どうやって保管するのがよい?

Q3.肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワイン?

海外のワイン文化を消化せずに定着させてしまったことの後遺症でしょう。

世界一のソムリエとなった田崎真也氏がその著書で書いているように、どの素材であっても、その調理法によって、白ワイン、赤ワイン、清酒、ビールなどいずれに合わせることが可能だと思います。

また、このような嗜好の世界には絶対的な基準があるわけではなく、基本的には各人の好みの問題です。

肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワイン?

Q4.白ワインは冷やして、赤ワインは常温で飲む?

余計なお世話です!

ただ、赤ワインのほうが白ワインよりも飲む温度が高い場合が多いのは事実です(安価な軽い赤ワインは白と同じ温度でよいのですが)。この理由のひとつは、赤ワインの渋みは温度が低いほど強く感じるからです。適度なバランスで渋みを感じる温度を調節すると、白ワインよりも高温になるでしょう。

もっとも、渋みの足りない赤ワインの時、渋みが強いほうがお好みの方は、赤ワインでもガンガン冷やして飲みましょう!

赤ワインが白やロゼワインよりも高い温度で飲むことが好まれるもうひとつの理由は、ワインの中にある酸味成分(有機酸)の相違です。

白、ロゼワインの有機酸は主として酒石酸とリンゴ酸です。赤ワインの場合はマロラクチック発酵を行ってリンゴ酸が乳酸に変わりますので、主な有機酸は酒石酸と乳酸です。

リンゴ酸は低温でおいしく感じる酸なのに対して、乳酸は比較的高温でおいしく感じる酸なのです。冷やして飲む飲料にリンゴ酸が含まれていることが多いのは、このためです。

Q5.レストランでワインを飲むときのテイスティングってなんのためにやるの?

レストランなどでワインを注文すると、ソムリエがお客の中のホストと思われる人か、いかにもワインに詳しそうな顔をしている人のグラスに少量注いで、テイスティング(きき酒)をする儀式があります。ワインに問題がなければ、テイスティングした人が軽くうなずいてソムリエに合図をします。すると、ソムリエが全員のグラスにワインを注いでくれます。

この儀式はなんのためにあるかというと、ワインにコルク臭がついているかどうかを検査するのが主な目的なのです。コルク臭があれば、ワインを別のボトルと交換してもらえます。

テイスティングしたワインが気に入らないと文句をつけている人をときどき見ますが、これは渡世の仁義に反した行為です。ワインを注文したのは客側の責任なので、それを店の人に転嫁するのは筋違いです。

コルク臭とはコルク自体の香りではありません。ワインのコルクに時々発生し、ワインに移行してしまう特有の不快な香りのことです。

原料コルクの段階で、ある種のカビに汚染されていることと、漂白処理工程でコルクに塩素が残留することで、トリクロロアニソールと呼ばれる物質が生成されます。この物質がコルク臭の本体です。

レストランでワインを飲むときのテイスティングってなんのためにやるの?

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