大人なので、どんなに不快で理不尽なことがあっても、感情を露わにすることはありません。心の中では何度も「バカヤロー!!」と毒づいてますけど(笑)。
そんな、人に言えないモヤモヤした気持ちを代弁してくれる『言わないであげてるの。 ~笑う女子には裏がある~』は、Instagramで12万人超えのフォロワーがいる「毒舌娘」が元になっているので、女性たちのリアルな本音を知ることができます。
各ページにはInstagramに付いた「いいね!」の♡マーク数も載っていて、一番「いいね!」が多かったのが、こちら。
私も、お客様にいきなりバカヤロー!と怒鳴られたことが2度あります。私には全く非がないにもかかわらず。
このときは、見ず知らずのお年寄りだったのでグッと耐えるしかありませんでしたが、行き場のない悔しさに数日間、悶々としました。
それも腹立たしいけれど、知り合いの場合も困りますよね。私もよくやる対処法は……。
仕事相手であれば、「今だけの辛抱。一生、コイツと仕事するわけじゃないし」と自分に言い聞かせます。
そして「ちっちぇー奴!」と心の中で毒づきます。
あくまでも上から目線ね。だってはっきり言える相手なら言ってるもん。言えないから困ってるんだもん。
でも、彼氏だったら聞き流すわけにはいきませんよね。お互いの妥協点を見つけないといけないので。
私も「あるある」と思ったのが、こちら。
これは男と女の考え方の違いなのでしょうが、僭越ながら女性を代表してこの続きを言わせていただくと……、その場で言ったらカッとなって怒り出すでしょ。だから、あんたが落ち着いてるときに優しく教えてやったのに、逆ギレするって何? 結局、収集がつかないからわざと先に折れて謝ってあげたのに“分かったらいいよ”だと? プライドばかり高くて、どこまでガキなんだ!! と声を大にして言いたい(笑)。
こんなふうにこの本を見ていると、思わず毒舌コメントを書き込みたくなるようなページが色々と出てきます。
さらに、世の男性たちに「軽々しく言うなよ」と念を押したいのが、こちら。
「えっ、そんなこと思ってたの? 何一つ、守られた覚えがないんだけど」という言葉をグッと飲み込んだ遠い過去を思い出しました(笑)。
人に言えないドス黒い気持ちを抱えている仲間が、こんなにもいるという共有意識に、なんとなく救われる気がします。
しかし、全部が全部「そうそう、わかる」というわけではなく、中には「そうかなぁ?」というのもありました。
よくあるのが、イベントに誘ったときの返事。
誘った方としては、「はっきりしたら教えてね」と返すしかなく、「わかりました」と言うので待ち続けているのに返事がない。それで確認をすると、「断ったつもりでいました~」ということが何度かありました。
最初から行く気がないなら断れや! ずっと待ってるこっちの身にもなってみろ! と言いたいのをグッと我慢して大人の対応をしたのですが、そういうことだったのかぁ、気づかない私が悪いの? なんて思ってしまいました。
そして、今の女の子たちって、裏でこんなことを考えてたのね……と、まるで自分がおじさんになった気分です。
それにしても、出てくるイラストの女性は、どこにでも居そうな普通のOLさんや主婦で、しかもみんな笑顔。
つまり、場の空気を壊さないよう笑顔で大人の対応をしてやってるんだから、その裏に隠した本音に気付けよ! ということなのですよね。
「笑顔の裏にある言葉」をあなたはどう受け止めるのか、まずはこの本を手に取って確かめてみて下さい。
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp