講談社ラノベ文庫4月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きをチェックしよう!!
イノヤス
講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」
大ちゃん
講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)
わかっちゃいるけどやめられない
人を襲う人類の天敵・ジェイヴが現れて十数年。人類の領域は狭くなりながらも、何とか拮抗を保っていた。戦闘兵器ディヴィジョン・マニューバが、ジェイヴへの対抗手段として有効だったからだ。最低レベルの魔力――ディヴィジョン1でありながら、魔装騎士を目指すための学園、上弦魔装学園へと入学した桶川九遠。だが九遠は最低魔力でも起動できる特注の機体を操り、入学早々に行われる模擬戦で9人抜きを成し遂げるが──!
こちらは第6回講談社ラノベ文庫新人賞≪優秀賞≫受賞作品です。テーマ的には、昨今WEB小説等で大変多くみられる、「英雄の転生もの」です。だいたいこんなことが起きるんだろうな、と予期できる部分も数あるジャンルなのです……といいつつ読みこんでいくと、登場キャラクターの熱さ、それぞれが背負った過酷さみたいなものが響いてきて、あっという間に作品世界に浸ってしまいました!
いろいろいわれるけれど、主人公が無双する爽快感は他では置き換えがたいものがあるんだなあ。──といった真っ当な楽しみ方もありますが、主人公の桶川九遠くんは12歳で彼を愛でる鈴鹿花火先輩が17歳だから、ショタものとしての楽しみもあるかなっと。Nidy-2D-先生の手になるイラスト、メカもおっぱいも最高にイカしてます!
個人的にはサブヒロインというか鈴鹿先輩のお友達、どんなピンチでもおもしろ発言をわすれない茂木凜さんが好きです。また、キャラの名前の由来はバイク好きの人ならすぐわかる、「あるもの」からとってきているのです。全く関係ない(ともいいきれないか)ですが、個人的にはGPライダーで一番凄かった人はフレディ・スペンサーだったと今でも信じてます! ダブルタイトルなんてありえなかったもんなあ……。
空を飛ぶ夢、いまでも見ますか? いつまで見ますか?
はるか昔に陸地のほとんどを失った蒼き世界、ノア。人々は巨大な船に都市国家を作り、わずかな資源を争って暮らしていた。飛行機乗りの少年・シエルは、そんな“船国”を行き来し、荷物を運ぶ“スワロー”としての日々。愛機は父の遺した白い水上機“ポラリス”。彼は無人島に流れ着いた少女・ステラを助ける。素性も何も語らない彼女の依頼で、シエルはステラを乗せて飛び立つことに。その先には、世界の危機と巨大な陰謀が待ち受けていた。
第6回ラノベ文庫新人賞佳作受賞作品の登場です。青い空、飛びまくり。南の島にひとりきり。あっと思ったらふたりきり。あなたは誰? 何しにここへ? 言えない、それはどうしても。北の果てには何がある? ここからどこへ、それから何を。あのねのね。か──っ。この世界にひたっていたい、仕事も借金も(ないよ)忘れて。でもね、まったりはできません……。空中戦~極テクニカル・バトルと無理ゲー感MAXの謎ミッション。謎は解けますっ。解けたら無理ゲー感アップしてんじゃねーか。
巨大な人工の船がひとつの国家をなし、それがあっちこっちで海流に乗ってすれ違う遠未来もしくは近接世界。宅配個人営業航空便の少年飛行士の冒険譚&成長物語。あってる? まあいいんすよ、そんなカテゴライズは。ずばり言っときましょう。
本作は『紫電改のタカ』ミーツ『〇〇〇の騎士』!!!
ちっがーう。ぜんぜんちっがーう。そもそも『〇〇〇の騎士』って何だよ。そっちじゃないよ。あっちのほうね。なんかこう、少年たちが一度は夢見るっつうか、自力の滑空感と美しい敗北感と無理筋の達成感がみずみずしくほとばしっちゃいますよ。どうか、ご一読を。
突撃! 隣のお姉さんを守りたい。でっけえシャモジはないけれど(ヨネスケ)
遼平がある日、友人の姉・綾音に告白したとき、世界は変わった──。遼平の胸を貫く、綾音の手から伸びた刃。加えて次に彼が目にしたのは、制服姿の綾音と、眼前に立つ巨大な化け物だった。実は、綾音は魔女であり、遼平は彼女を守るシュヴァリエとして、近代魔女同士の決闘――サバトマリナを戦い抜くことになったのだ。だが、まるで覚めない夢のようなこの世界に遼平を閉じこめているのは、綾音以外に考えられず……!?
「────好きだから!」
言った。
言ってしまった。
────世界が変わった。
くー。世界変えてー。わ゛ーっ、わ゛ーっ。ごっほんげほげほ。どーも! 世界を変える準備は万端のまま朽ち果ててしまった大ちゃんです。もうだめタラよ。
さあ、本作は『七曲ナナミの斜めな事情』『グリモアコートの乙女たち』『レギオス』シリーズなどでいわずと知れた雨木シュウスケ最新シリーズ。剣で胸をつらぬかれ、一気に魔法の世界へ。立ちはだかるケルベロス。行け、闘え、逃げるんじゃない。……おや? 妙だぞ? 少しずつほころんでいく風景。ここはどこなんだ? 麻婆豆腐とコーヒーを忘れるな。犯人は月にいる!? さあさあさあ、何言ってんだかわかんねえでしょうが、これでも精一杯のネタバレ回避。
(魔法? ばかな、そんなものあるわけがない。
なにか医学的な方法だってあるはずだ。)
ふふふ。大ちゃん、みんなをミス・リードする気まんまんです。混沌がほどけていく快感をぜひぜひ!!
これはもしや、孔明の罠かっ!?
父親が亡くなり家を失うことになった語利カタル。最後に住み慣れた家の中で見つけた謎の抜け道を通ると──ファンタジー世界のような場所に出た。そこにやってきたのはドワーフとミノタウロス! さらに竜を駆る少女までやってきた。戸惑うカタルに少女は言う。「お前、軍師の血族か。ならさっさと来い、女王陛下と国難がお待ちだ」と。この国は危難を迎えると「軍師の館」が現れ、カタルの祖父が軍師だったらしいのだが──!
異世界へとばされる、という昨今では大変ポピュラーな要素をはらんだ当作品。ですが、主人公のカタル君が、そういった転送・転生ものでは必然でもあるところの「昔の記憶をもっている」とか「現世でも勇者だった」とかのブーストポイントを全く所持していないところがすごいんです。だからカタル目線で彼とともに物語をなぞっていくと、カタルに課せられたミッションの過酷さが伝わってきて、「ああこのイカサマ、ばれなきゃいいなあホント」としみじみ思わされて作品世界に自分も巻き込まれていくという、痛快そして爽快さを味わえる楽しみがありますね。
人間捨て身になればなんでもできる、元気があればなんでもできる(猪木)んですよ。それと、智弘カイ先生の描き出すキャラ、なんといってもドラゴンライダーのラウラさんのおっぱいがイインデス!(重くて柔らかそうな感じ)──そういえばスゴイ昔にやりこんだ「三国志Ⅱ」だと、劉備を君主にした場合最初に軍師にしたのはなぜか関羽だったな、みなさんはどうでした?
……いつもどおりどうでもいいことですみません。