講談社ラノベ文庫3月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きをチェックしよう!!
イノヤス
講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」
大ちゃん
講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)
さよなら、昨日までのモジモジした自分! 外はもう春っ!
レムの中に残る魔王の魂を消す儀式魔術が、ダークエルフに伝わっているという。個人的な問題だからと1人で向かおうとする彼女に、ディアヴロは同行を提案してやる。もちろんレムが心配だからだ。(ゲームの設定の『ダークエルフは爆乳』は関係ないですよ……?)。しかし、ダークエルフたちは過去の惨劇ゆえ、他種族に敵対心を持っていた。弓を向けられ、ディアヴロは戦いを覚悟する。 「貴様らの恨み辛みなど知ったことではない。我に従うがいい!」 一方、シェラは王女としてエルフの男性と結婚させられることに!? 極大魔術でエルフの王国を転覆させる!? やがて世界を震撼させる魔王(演技)が絶対的な強さで突き進む冒険譚、第7幕!
最近のディアヴロくん、こんな感じ。 (弓矢をかまえる謎の集団とにらみ合いのシーンで) ───まず笑顔。友好的な会話は表情から始まる。今回はうまく対話できそうな気がした。 「貴様らに用はないということだ。ダークエルフの居場所へ案内するがよい! ……早く案内しろ。滅ぼされたいか!?」 「ヒッ……!?」 ───今回はフレンドリーに頼むことができた気がする! だはははははははははははははははははははははははははははははははははは。フレンドリーって。 さあ、超人気シリーズ、堂々の7巻目です。相変わらず最高すぎるディアヴロくんなんですが、校了者としてちょいお節介を焼くとですね、この7巻ではディアヴロくんの成長物語がかなり見えてくるんですよ~~。人としゃべろうとすると、頭真っ白でフガフガしちゃうスーパー・ヘビー級コミュ障のひきこもりゲーマーが、ナチュラルに仲間が増えていって、初対面の人間と(人間じゃなかったりすっけど)交渉したり、相談して、けっこうやっていけてんじゃん、と。 異世界にふっとばされて、あれこれあって、ふとね、本当に自然に「自分も読み書きを勉強してみようかな?」って思うんですよ、ディアヴロくんが。古今東西の成長物語の純文学より、よっぽどリアリティーがあって心に響くじゃん。 あとねえ、7巻にはディアヴロくんの名言がいっぱいいっぱい詰まってます。 「(ゲーム)上級者が初心者のプレイに、あれこれと口を出すのは、大嫌いだ。なぜ遠回りをさせてやらない」 「自分の欲求と相手の都合と、天秤にかけるのは難しいんだよな」 「こんなときは数学だ! 円周率3.1415……」 「どたぷん、どたぷん」 「結婚? ダンゴムシに空を飛べと?」 「気概なんて基本的にありませんけどね。ヒキコモリのゲーマーですからね!」 一部、意味わかんねえやつもあるでしょうが、これ以外にもまだたくさんあんのよ。担当者のショーちゃん(仮名)、美麗イラスト付き名言集みたいの、うっかり作ってくんねえかなあ。うっかりって。
奥多摩は巨乳と賢者と異能の街なんです!
特殊能力者の教育機関、神ヶ峰学園。記憶喪失の少年・五条優介は、学生でありながら教師でもある『指導学生』として着任した。担当する生徒は能力の制御ができない、落第寸前の訳あり美少女ばかり。さらに優介は彼女たちと同居することになり、ハプニング続出! 体当たり指導で彼女たちの心を開いていく優介だが、強力な「叛逆者」の猛威に学園崩壊の危機!? 優介は少女たちを守り、導くことができるのか!?
おそらく人類の歴史にもかかわるくらいの、訳あり主人公、五条優介──。『指導学生』という、みんなと同い年なのに先生役も兼ねる、というある意味無敵ポジションの彼には、落ちこぼれのうえ、おっぱいもこぼれそう(こぼれる場合あり、大歓迎!)な女子生徒を合格させるという無理ゲーミッションが与えられています。
五条くんは強烈な『俺TUEEE』系キャラのはずなんですが、彼にはイヤなところを感じないんですね……。それは彼が能力を発動させるたびにやらかすところとか、生徒とトラブル(と◯ぶ◯っぽくもありますが)起こすたびに強力な≪賢者モード≫に陥るところとか、なんだか妙にまじめなところとか、妙に可愛げがあるところなんですよね……。そんな五条くんの、くすっとする面白さにもぜひ注目してください。ヒロインズは基本巨乳というところも個人的には大歓迎なのですが、一番気になるところは五条くんの従姉妹のお姉さんの、紫苑さん。五条くんと絡むたびにくねくねしだすというか、こりゃ絶対攻略対象ですよね!! 本編に描かれていないなにか(薄い本的なやつです)を、どうしても脳裏に描いてしまいます!! 紫苑さんにも例の能力を発生させてくれないかなあ……。
どら王子が哲学者になる日はもうすぐだ!?
放浪の旅から王都に帰還した“ドラゴン乗りのどら王子”クラルト。戴冠を控えた彼に、周辺各国からの縁談が舞い込んでいた。結婚を嫌がるクラルトだが、“花嫁養成学科”が設立され、勝ち残った者と結婚させられることに。どうせやるなら面白く!とみずから養成学科の講師と審判を買って出たクラルトの前に、かわいさハンパない花嫁候補が続々登場! 積極痴女気味いとこ、獣系グラマー美女、黒髪ポニテ剣豪、ツルペタ金髪王女、褐色爆乳元気娘。5人の美少女がグイグイ迫る! さらに能面クールメイドと健気ロリ義妹も加わって大騒ぎ! ドラどら王子は誰を選ぶ!? ヒロイン全員俺のもの! 難易度ゼロのオールレンジ・ハーレムラブコメ、ここに開幕!!
第6回講談社ラノベ文庫新人賞佳作受賞作、満を持しての登場となります。正直に告白しちゃいますと、選考当時からとても気になっていた、というかとても好きな作品だったので、完成版を読むのが待ちきれなかった感がありました!
よん先生による、可愛くも華麗なイラストに彩られたヒロインズの魅力が全面的にフィーチャーされているのも素敵ですが、選考過程からずっと気になっていたのが、主人公“ドラゴン乗りのどら王子”ことクラルトの好漢ぶり。先入観とか常識とかを一切無視して自分の好きなように突き進むところが、とても羨ましいというか、友達になりたいタイプですね。結構えげつないことをするのに、それでも嫌みじゃないというところが特に好感が持てます! そんなクラルトが「教師」として花嫁候補の教育を通じて花嫁候補を選ぶことになるのですが……。
もし自分がクラルトと同じような立場になったら……いやいや、きっとすべての花嫁候補(おまえにそんなにいるわけないじゃんというツッコミは無しの方向でおねがいしやす)にしばき倒されて、結局誰にも選ばれない、という残念な結末が浮かびました……ふー。