講談社ラノベ文庫2月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きをチェックしよう!!
イノヤス
講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」
大ちゃん
講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)
リーザ姐さんがやっぱり素敵なんだな!
イリスに弓を引き、偽物の篠宮都とともに去っていった深月。自らを犠牲にしようとする彼女を止めるため、悠たちは彼女を追う。向かうのは、かつてアトランティス大陸があった場所に残る、最後の不可知領域。だが、そこはサード・ドラゴン──“真滅”のラグナロックの霧に包まれていた。その中に姿を消した深月と都を追って、悠はリーザたちとともに突入するが、そこで彼らが見たものは……!?
ラノベ文庫の看板作品のひとつである当作品。いよいよ13巻に到達です。前巻にて、仲間の元を去っていった深月。地球上の某所に残った不可知領域での、深月をめぐる困難なミッションが描き出されている今巻では、ドラゴンを巡る謎もさらに深化していってる 印象がありました。深月さんのように、常にみんなの中心としてふるまいつつ、個人的な苦しい思いを抱えることの矛盾やら辛さが読んでいて染みこんでくるようです。
そんな重厚な作品世界を彩る、梱枝りこ先生渾身のキャラ陣には、いつもほっとさせられる部分がありますねえ。個人的には、今回のツボは、カバーイラストにも登場のリーザさん。作品の初期では、けっこうツンツンしている部分もあったりしましたが、深月さんをしっかり受け止めるやさしい姐さんになっていただいたようで、好感度さらにアップです! 悠くんも、いろんな意味でどんどん大変になっていくなあ……(戦うだけでも相当大変だっていうのに)。あと、イリスちゃん、「はいてる」のでしょうか? わたし、気になります。 都せんせいも意外に(おっと失礼)カワイイ!
物語はますます深化し、大きなステージに向かっていると感じました。ぜひともみなさまご自身にてお確かめくださいまし!
合コンに誘われるのが夢デース!
「あたしと一緒に、合コンに参加してほしいデース」
そんな真乃のお願いにより、オレは人生初の合コンに参加することになった。ギャルが苦手なオレにとっては気が乗らないのが正直なところだが、真乃の頼みとあらば仕方ない。だが、いざ会場に向かってみると、そこに現れたのはオレの知っている真乃の姿ではなく、肌が黒くなってギャル度は高めだが、態度は逆におしとやかになっているという、明らかに様子のおかしい真乃……いや、真乃の偽物だった。首をかしげるオレたちだが、一方で、果音の様子もまたおかしい。オレを騙してホテルに連れ込んだかと思うと、そのままオレを押し倒してきて……!? 純情ギャル&真面目少女との新婚生活ラブコメ第2弾!
遙か昔の、まだスーファミも発売されていない時代。Zガンダムの初回放送をみて「意味わかんねーな……えうーご?って何??」とほんとに思っていたあの春の日──。灰色の男子高生活を抜け出し、「大学生になると“合コン”なるものに参加できて、可愛いおねーちゃんと仲良くできるものなんだ!」と信じていた自分の浅はかさを、いまもどこかで「かっちょわるかったなあ……」とかみしめつつ、当作品の校了をじっくり進めておりました!
1巻に引き続いて、ヒロイン真乃ちゃんの、筋を通した可愛さが光っておりますね。「ギャルの姿をする」ことに意義を持ちながら行動する彼女。いつもながら好感がもてます。幼馴染みの果音ちゃん、通常営業?のコワい面もありつつ、圭太郎くん大好きなところを、だんだんとまっすぐ表現するようになってきていて、まあこんな2人の幼馴染みがいるからこそ、ラノベドリームなのだ! と改めて確信する次第です。今巻ではドラマの中心をなす新キャラが登場しております。もちろん可愛いコですよ。その真の姿はぜひ本編にてお確かめください。それでもってあまり関係ないけど、モブキャラ的な男子である「タクヤ」くんの底知れなさというか、今っぽさというか、闇を感じるとこも印象的でした!
ああ、いったいいつになったら、合コンに参加できるんだろう……。もうすぐ俺、50歳だ。
転生ストーリーと労働小説のミゾ(深いね)を埋める衝撃的作品、満を持して登場!! あっ、略称は“トにした。”だよ
もしも己が望むような「異世界転生」ができるとしたら? 前世の記憶を保持しチート能力で無双する俺TUEEE勇者に! 勇者たちを圧倒的な力で打ちのめす魔王に! 可愛い女の子たちを侍らせるハーレム主人公に! そんなラノベ脳な高校生の志郎は、トラックに轢かれて死んでしまっていた。死後の世界、目の前に現れた美少女フィリア。彼女は告げる「あなたは転生できないの」と。そんな志郎の転生(できない)ライフとは?
プロローグの冒頭2行目、いきなり……「よし。これは夢だ」。 だはは。テンポ速ぇーっ。日富美さんの待望の新作です。まずトラックに轢かれますわね。転生しますわね。ゴブリンとか精霊とかスライムまでいますわな。おっしゃ、ドラゴンとか魔王とかとバトりますぞい!? ノーノー。魔法バトルはありません。あるのはバイト。お役所みたいなとこで、死者のためのよりよい転生ライフを実現すべくシャカリキに働きます。「死者の後悔は、10人いれば、10人とも違う。型にはめるようなやり方は間違っている」その通り!! 後悔が服を着て歩いている男、大ちゃんもそう思いますぞ。一途なヒロインは栄養ドリンク『シャチクタンZ』(笑)をグビグビ飲んで倒れるまで働きます。そんなん無理にキマってんだろという目標値は達成されんのか。全体のテンポの良さと無理スジ感のコントラストも絶妙な作品です。イラスト担当は、ラーメン4コマ漫画の金字塔『ら~マニア』でも好事家に知られるこもわたさん。その筋からはSD造形のプロ中のプロって評判もあるんだそうで、本作もカバーまわりや目次にSDキャラがわっさわさ出てきて、かーいーのなんのってあーた。ぜひお手にとってへろへろしてくれさい。
どうなるどうする? “少年王の遺産”を巡る冒険! 敵か味方か……。「えへへ。にぎやかですね」
すべての魔獣の頂点に君臨する竜──七罪竜の一角、≪憤怒≫のバハムートを斃したカイル。その功績による名誉勲章の授与式のため王都に向かった彼は、アルカザディアの第二王女フィリアと出会う。そしてフィリアはカイルに、手に入れれば世界を制することができるとまで謳われた魔石武装──≪少年王の遺産≫の入手クエストを依頼してきた。どうやらその遺産がある地・シャングリラは七罪竜≪嫉妬≫のリヴァイアサンの縄張りのため、カイルの力が必要らしい。そしてカイルはタチアナやリリス、それに≪三剣人≫の1人にして親衛騎士団団長のエリカとともにシャングリラに向かうが……!? あさのハジメ×せんむが贈る、異世界最強師弟ファンタジー第2弾!
あさのハジメ新シリーズ、圧倒的2作目です。ざわざわしそうです。あのー、校了中に思いついたので唐突ですが、「ラノベはラーメンである」と断言しちゃったりします。麺だけうまくてもスープがないとねえ。チャーシューが日本一でも、それだけどんぶりいっぱいに出されてもなあ。あと長ネギにはちょっとうるさい大ちゃんです。ラーメン嫌いな人にはみんな同じに見えるかもですが、何かが足りないと全部残念、みたいなとこもあったりなかったりします。 ラノベの具を(1)お色気(萌えとかエッチとかいわないとこが大ちゃんキュートです)、(2)おバカ、(3)バトル、(4)サスペンス&ミステリーと分けたとすんじゃねえですか、仮にね。本作には全部揃ってて、それでいてサクサク読めて胸焼けしないのである。 以下、本作の具のさわり。 (1)エロ:「わたし、はじめてなの」「ちょっと痛いかもしれないけどな」「責任、取ってくれる?」 ──『鶴光のオールナイト・ニッポン』かい。ニッポン放送の宮本さん、お元気ですか。知らんがな。 (2)お笑い:(王女からの手紙)「ぱんぱかぱーんっ! こんにちは……今わたしはちょっぴりえっちな下着姿で……フィリアより」「……この国は、大丈夫なのか」 ──がはははははは。 (3)格闘:シャイニング・ウィザード!! 三角締めにバスターのカウンター!! ──このへん、ちょっとマニアックなのでスルーしていただいてもあれです。 (4)謎解き:「この船には尾行者がいる」 ──きたきたーっ!! 海の上の密室で、××が〇〇だっただとぉ!? おおっとネタバレはしねえが、びっくり仰天だぜ。 そんなこんなで、次回「ラノベはカレーだ」篇をお楽しみに。