講談社ラノベ文庫11月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きを発売前にチェックしよう!!
イノヤス
講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」
大ちゃん
講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)
異世界の料理はみんなオーガニックなんだろうか!
中学生で英雄としての資質に目覚めて十余年、今や九頭竜雪彦は数多(あまた)の異世界を救った経験を持つベテランの召喚英雄となっていた。そんな雪彦が「お姫さまの家庭教師」として召喚された異世界で出会ったのは──これまでずっと奴隷として生きて来た少女で!? 「九頭竜様。わたしのご主人様になって頂けませんか……っ!」。ひょんなことから《蒼の奴隷姫・シアン》の家庭教師兼ご主人様となってしまった雪彦だったが、2人の前には問題が山積み! 雪彦はシアンが立派な姫になれるよう努力をするのだが、ついつい彼女を甘やかしてしまう。今や奴隷とは虐げるのではなく、愛でるもの!? 奴隷と共に過ごす王宮家庭教師生活、開幕!
次期女王となるための戦いに参加することになったヒロイン・シアンとベテラン召喚英雄の物語。ヒロインは現状「最弱」かもしれないけれど、「最弱は次の最強」であるからして、今後の成長にスゴイ期待がもてるなあと。その他含みと毒のあるヒロイン達がいい味を出していました。味、といえば、話の本筋とちと異なるのですが、主人公・九頭竜雪彦のつくる「ペペロンチーノ」がすごく美味しそうなのです! シアンちゃんが食べている様子からもその美味しさが伝わってきました……。ペペロンチーノは食材が単純ゆえに手腕が問われる料理なんだよなあ。数多の異世界に召喚された主人公なら、それら世界の美味しいものを知っているはずなので、異世界にしかない食材をつかった料理もぜひ披露してもらいたいなあと。
ライト・ノベルに新たな地平を拓く青春ノー・ブレーキ自転車ストーリー!
天才サイクルロードレース選手の少年・狼堂迅人は、世界大会での優勝を目前にして、怪我により競技の道を断念することになった。失意の日々を送る迅人だが、縁あって高校の女子自転車競技部の監督を務めることになる。世界大会の女子部門《ツール・ド・ガールズ》優勝を目指す部長の小鳥遊あひるをはじめ、個性豊かなメンバーたちのひたむきな様子に、当初は気乗りしなかった迅人の姿勢も次第に変化していくが……?
めくるページから汗が飛び散ります。食いしばった歯と歯の間からよだれや、ときには血もしたたります。 自転車ロードレースに生活のすべてをかけちゃった女子高生たちの物語。なんでそこまで頑張るのという一番のハリキリ娘に実は最も素質がなかったりします。世界規模のレースで頂点を目指す最初のハードルは、まず部員を集めること。そっからかいっ!! 主人公男子は大ケガで海外のジュニア部門のプロをリタイアして帰国、この女子たちのコーチ/監督となります。まあ嬉しかろ? いやあ、どうですかね。そりゃあ「だーっ」とか「クッソー」とか「ゼーゼー」とかが「あはん」とか「いやん」とか「ばかん」とか桃色になったりする場面もあるはありますが、坂道ヘアピン・カーブを80キロでノー・ブレーキだぜえ!? 男子読者は股間がヒュンとなるので一部閲覧注意。
第5回『講談社ラノベチャレンジカップ』優秀賞受賞。2次選考の席上ですでに一部部員から「受賞当確!」の声も上がった2016年怒濤の注目作です。読み終えて閉じたページから爽やかな風が吹き抜けていきます。
おもしろくて、ためになる。(講談社社是より)
本が好きで、ライトノベルと出会って虜になって、自分もラノベ作家になりたいと思って──そうして僕は高校卒業後に専門学校の作家養成コースに入学した。けれど、講師として僕の前に現れた、現役女子高生ラノベ作家として名を馳せている雨音天袮は言い切る。「専門学校に来ている時点で、おまえらには作家になる才能がない」。肩を落とす僕だが、天袮についていけば作家になれる可能性は確実に上がるらしく……?
「校了してみた」という、この企画のタイトルにあるように、通常「校了」の際には、誤字脱字や表現の適切さ等に気をつかいながらじっくり読みすすめるもの。でもこの作品の校了時は、さらに「ライトノベル」についてじっくりと考えながら、何度も読み返しつつ読んでしまいました……。ベテランラノベ作家であられる、舞阪洸先生だからこそ語れる、作家をめざす人にとっても、編集にとってもためになる作品です。ラノベ専門学校講師として、本作を進行していく高校生ラノベ作家・雨音天音曰く「とにかく本を読め」──本を読むことこそスポーツで言うところの走り込みにあたるんだなあと。作中に登場するゲスト作家のみなさんのお言葉も大変こころに響くものがありました──登場キャラのみんなが、共同作業でひとつのものを創りあげていこうとする過程ももっと見ていたいなあ。個人的には、ドSメガネ巨乳毒舌ヒロインの古渡愛乃さんがツボです!! あの毒舌を喰ららってみたいよ~!! うわ~~ん!!
魔王は愛でるものなのかも
『はいどうもおー! みなさんこんばんは、魔王でっす!』『わこつ』『ばんわ』『魔王さん今日もかわいい』『死ねクソ魔王』。日下勇真の家には引きこもりの魔王がいる。その名はイスティ。勇者に滅ぼされるが復活し、息子である勇真に復讐するために現れるが一瞬でボコられ、日下家に引きこもってしまったのだ。その魔王は、爆死ガチャ生放送や他の生主に喧嘩を売るなど、引きこもりのリア充として生き生きと活動していた!
先日、「ラノベ文庫チャンネル」のスペシャル版ということで、池袋のスタジオから公開生放送を行いました! 池袋のビルの壁面にある巨大スクリーンで流れる番組は、いつもとまたちがった趣がありました! 現地に集まっていただいたみなさん(マロン社長のお土産いかがでしたか?)、番組視聴者の皆さんありがとうございました!
──ということで、今作のヒロイン・イスティは、敗れた魔王で美少女でひきこもり。隙あらば勇者の息子・勇真を打倒しようとしていつもあっけなく負けちゃうとこが可愛いですよ。しかも生主で人気もあるんだから、無理して勇者と戦わないで、楽しくやればいいのになーと思っていたら、なんと生放送をきっかけに知り合った人(勇者の一族と魔王の仲間とふつうの人間)でいっしょに動画を作ることに! みんなでなにかをつくりあげることの楽しさ、人と触れあうことの怖さを乗り越えた、妹の雪凪の奮闘もとても切なくて印象に残りました。ラノベ文庫新人賞出身の著者の新境地ともいえる作品であります!