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2016.09.29

特集

奴隷聖女、幼馴染み、巨乳。脳内で文字色が桃色になるヒロイン!

講談社ラノベ文庫10月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きを発売前にチェックしよう!!

イノヤス
講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」

大ちゃん
講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)

真実の信仰、破滅への道──混迷を極める愚民たちの前に魔王が降臨して一言「うへえ、緊張してきたぁ」

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術6』書影
著:むらさきゆきや イラスト:鶴崎貴大

腐敗した教会を正そうとするルマキーナ。彼女に協力して、ディアヴロはとうとう王都へ乗りこむ。聖騎士との交戦が予想されるが実は楽観していた。《宝物庫》で揃えた新しい装備は、この異世界において圧倒的だからだ。しかし、立ち塞がったのは無力な信者たちだった。ルマキーナは戦いを望まず──教会堂に閉じ込められ、逆に背徳の汚名を着せられてしまう。理不尽な扱いすらも受け入れる聖女だったが、ディアヴロは黙っていることなどできなかった。 「敵も味方も判らぬ愚者どもめ、もはや生かしておく価値もない!」 強大魔術で教会を粉砕する!? やがて世界を震撼させる魔王(演技)が絶対的な強さで突き進む冒険譚、第6幕!

大ちゃんコメント
もうね、ディアヴロくん最っ高!!!! 「敵も味方も判らぬ愚者どもめ、もはや生かしておく価値もない!」このまま全員踏みつぶしてグッチョグチョだぁクソがぁ、くらいのことセリフでいってんのに、内心は<みんな仲良くね! 伝わっているといいな>って、だははははははははははははははははははははははっはっはっぜーっぜーっ。……失敬。ほら、先輩とかエラい人がきらいで、内心<いつかブンなぐってやんぞコイツ>とか思ってんのに「そっすよねえ、ええ」とかいってるアレよ、アレの逆よ(どれの逆よ?)。今回は教会の腐敗と、それに丸め込まれちゃってる民衆を一網打尽にしてドバーっといくんだけど、その手法がけっこうウルトラC。気持ちいいったらありゃしない。校了しながら「ダハハハ」とか「わっははは」とか「ここうまい!!」とかフセンいっぱい貼ってったら、担当者のうんざりした顔が思い浮かんだので、半分くらいとって捨てました。あとね、あとね、本作のキーワードは、ずばり「やわらけ」。2ヵ所出てくんのでさがしてね。見つけたら全力でほめて差し上げる。ほんまけ。

★公式サイト
http://lanove.kodansha.co.jp/official/isekaimaou/

「あっはんうっふん、ドッタンガツガツ」の極北を行く"あさの節"英雄譚(弟子だけどね)

『異世界ギルドの英雄師弟(ベルセルク)』書影
著:あさのハジメ イラスト:せんむ

事故で異世界に転生した少年・外村一真は、伝説の冒険者アズサ・クルーガーのたったひとりの弟子──カイル・クルーガーとして新たな人生を送ることになった。魔獣の頂点に君臨するドラゴンを倒し、世界を救った英雄であるアズサが取った唯一の弟子として、彼女に最高傑作とまで呼ばれるようになったカイル。そしてある日、彼はアズサから自らも弟子を取るよう命じられる。だが、弟子候補の少女タチアナは、魔力が少なすぎて魔獣を倒すことができない、序列最下位の冒険者で……。「おねがい。下働き、従者、奴隷……どんな扱いをしてくれてもいい。わたしをあなたの弟子にして!」。あさのハジメ×せんむが贈る、異世界最強師弟ファンタジー開幕!

大ちゃんコメント
作品担当者のショーちゃん(仮名)が「あさのくんの新作ですぅ。もうイラストも上がってますんで、ふふ」と不敵に笑って校了ゲラを置いていく。ヤツは自信作だと、その自信のほどが体外に漏れ出てしまうクセというか性癖があるので、去って行く足音も「じしん、じしん」と鳴っていて、気が付けば「茨城:震度4」(実話)。
そんなわけで(どんなわけで?)あさのハジメ新シリーズ。異世界に行ってみたら“なろ〇”はあるわ、“スマ〇〇”はあるわ、でも猫カフェも焼き肉もカラオケもない。ないなら作っちゃう? なんか、のんきな話に聞こえるかもですが、とんでもない。後半に行くほど、ジェット・コースターのように加速するダイナミックな展開。「弱すぎる。……わずか30秒たらずで、武装した約30名を昏倒させ……」「使ったのは格闘技番組で見た技と……知識」これね、“見るだけ派”の格オタ垂涎の設定なんだぜシャーッおら。
おっと、そこでもやもやしてる旧あさのファンの諸君、ご安心ください。脱いでますよ。一定量のアヘアヘ成分をガツガツ、あのね、ぶち込んで、文字色がピンクに(脳内でな)なってからの畳みかけが“あさの節”全開! 「えっ、ここで?」っていう場面で文字が桃色に変わります。
読まないと悪い夢見んぞ!!

★公式サイト
http://lanove.kodansha.co.jp/official/berserk/

幼馴染みは負けって誰が言ったんだ!

『彼方なる君の笑顔は鏡の向こう』書影
著:持崎湯葉 イラスト:sekiyu。

誰もが憧れるような美少女、音和彼方。僕、兎下詩歌の幼馴染みはそう思われている。でもその本性は──僕と二人の時にだけ出てくるのだけれど──とんでもなくだらしない怠け者。不在がちな彼方の親に代わって、彼方の世話をするのが僕の役目なのだ。そんな駄目な彼方と、取り壊しが決まっている近所の神社を見に行ったとき、古い鏡に激突。3つに割れてしまった鏡が急に光りだし──現れたのは、どこか彼方に似た3人の少女で!?

イノヤスコメント
幼馴染みが「負けフラグ」と言われて久しいけど、そうはいっても幼馴染みが重要なキャラとして登場する作品は、いまだ数多いのではと思います。今作は、ある出来事を通して、あまりに近くに居すぎた幼馴染みとの関係性を問い直して、さらに関係を発展させる……というお話。でも、近くに居すぎた人との関係をある時点からがらっと変えるのってとても怖いですよね。そもそもフラれたら、単に最近好きになった人に対してとは比べものにならない、下手すると、自分のこれまでの歩みを全否定されてしまうかもしれないのだから……。という危険性があるけれど、自分の軌跡(それが長くても短くても)をすべて知っている人との事件というのは特別なもの。ぜひ一読されて、自身の身近な人との関わりを思い出してみてください。甘くて切ない、という青春の果実がたわわに実っております。……そういえば、自分も今度中学のクラス会に呼ばれているけど、なんせおっさんなものでムニャムニャ以下略。

こころさんは巨乳でした!

『雛菊こころのブレイクタイム2』書影
著:ひなた華月 イラスト:笹森トモエ

生徒達の悩みを解決する“お雛様”こと雛菊こころをサポートするようになった伊莉也。彼女に影響されてか、困った人に対して敏感に反応し、ついつい手をさしのべてしまうようになっていた。選択の授業で知り合ったユリが抱える闇に触れた伊莉也だったが、思いも寄らぬ方へと転がって行く。それがこころが“お雛様”になった発端になるある事件へとたどり着く……。誰もが持っている闇を解消するために、生徒指導室でおいしい珈琲と暖かい助言をしてくれる“お雛様の部屋”の扉は誰にでも開いている。第4回講談社ラノベチャレンジカップ《佳作》受賞作、2杯目!

イノヤスコメント
ヒロインのこころさんは、ある事件のせいで生徒の悩みを聞いて心理学的な解釈で解決をはかる「お雛様」というポジションでもって生きている。個人的には可愛いし巨乳(口絵参照)だし(作品から推測できる部分のみならば)当たりは柔らかい最高の女子! でも、人の悩みを聞くって言う行為は人の「毒」を吸い取ることだから、下手すればどんどん自分が毒されてしまう危険もあるなあと、読みながら思っていたら案の定、自身の存在の根幹に関わる事件を直視しなくてはならなくなって、壊れてしまいそうになる……。でもそれでいいんです。とにかく自分はこころさんに癒やされました! 主人公の伊莉也くんは、こころさんのためにとにかく走ってます。ラノベ主人公に一番必要な「好きな女子のために全力で走れる人」です。彼の恋が成就するかはわからないけど、サッカーじゃないけど走りまくれる男子が何かを得られないはずはない。……いつもそんな風に思ってます。この作品は第4回ラノベチャレンジカップ〈佳作〉受賞作品の第2巻。ラノベ文庫は常に新しい風、こころに響く物語を求めておりますよ!!

泣けました、ただただ泣けてきました……。

『小説 映画 聲の形(上)』書影
著:川崎美羽 原作:大今良時 脚本:吉田玲子

ガキ大将だった石田将也は、転校生の少女・西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。──やがて5年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。“ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。

イノヤスコメント
ただいま映画絶賛公開中、週刊少年マガジンの超人気作の、ノベライズ作品でもあります。内容的にはみなさんご存じの作品だと思いますので、敢えて読み終えて感じたことだけ書いてみますと、なんだろう、50近いじじいになっても、過去を思い出すと「子供の頃、あのときあの子になんとなく言ってしまった一言、いまでも謝りたい一言」があるなあ……と切に思ってしまいました。子供の頃は視点が狭すぎて、いろんな状況のなかでもみんなが「生きようとしている」のがわからないんだよなあと……。それでも、すべてを捨てようとしても、過去に手を伸ばした主人公と、それを受け止めたヒロインに、もはや何もいうことはないなあ、と思いました。漫画の可能性、その無限さを信じた作品の、ノベライズ作品ではありますが、その精神はこの小説版からも厚く熱く篤くたぎってきます!
ぜひ一読を。『君の名は。』の次は絶対これですよ!

★映画『聲の形』公式サイト
http://koenokatachi-movie.com/
★コミックス情報
http://www.shonenmagazine.com/smaga/koenokatachi

©大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

永遠にこない永遠……。

『小説 七つの大罪 セブンデイズ』書影
原作・イラスト:鈴木央 著:岩佐まもる

ブリタニア北の大地に『妖精王の森』と呼ばれた森があった。妖精王と呼ばれた兄が姿を消してから700年。少女はたった一人で、その神樹の『生命の泉』を護ってきた。数々の別れを経験して、彼女の涙も涸れ果てた頃、一人の青年が『生命の泉』を求めて現れた───。原作コミックでも描ききれなかった、あの「7日間」を原作者鈴木央の協力を得て、小説にて完全再現!

イノヤスコメント
こちらは以前ラノベ文庫にてノベライズされた作品の、刊行形態を変更したもの(文庫サイズ→KCDX)ですので、内容的には変更はありません。ですが、校了に際して再読してみて、「やっぱりいい作品だなあ」と改めて思いました。バンとエレイン、二人のこころの距離が、だんだん近くなっていく過程が特に響いてきます。永遠があったらいいな。でも、永遠ってあったらつらいのかな……。あって欲しい永遠って、永遠にこないんだ……。読後訪れる寂しさは、読後の満足感の永遠の友人なのでしょうか……。すみませんポエムっぽくなってしまいました。私もエールを飲んでいるせいでしょうか? なんて……。この際だからみなさん、ぜひもう一度お読みになってはいかがでしょう! 

★コミックス情報
http://www.shonenmagazine.com/smaga/nanatsunotaizai
★TVアニメ公式サイト
http://www.7-taizai.net/

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