講談社ラノベ文庫1月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きをチェックしよう!!
イノヤス
講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」
大ちゃん
講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)
あにすは絶対いい子だと思う
事故で異世界転生した色黒ギャルな女子高生・東条あにすは、その容姿から、ダークエルフと間違えられてしまう。そしてどうやら、あにすはオークなどのモンスターや、万物の力の源であるマナさえも魅了できる、“マブる”という特殊なスキルを持っているらしい。冒険者ケンゴとともに、元の世界に戻る方法を探すことにするあにすだが……? ギャルが異世界を舞台に数々の伝説を築いていく痛快ファンタジー、ここに開幕!
知り合い(♂)で日サロ通いの人がいるんだけど、全身ムラ無く焼けてる肉体から付けられたあだ名が「チョコ」(元ネタはご想像におまかせします)でした。──まあそれはさておき、昨今世の中でやたらと「コミュ力」が重視されるようになった流れが、個人的にはあんまり好きじゃないんです。軽ーいノリで友達数自慢とか、ちょっとなー。余り親しくない感じの人を前にしたら、それなりに緊張しておどおどするのが礼儀なんじゃないかと思うのです(てことは今の仕事に向いてないのか……)。
ところがどっこい、この作品のヒロイン「あにす」ちゃんは黒ギャルなんだけど、精霊からモンスターまで“マブる”(……すぐ打ち解ける、の意味でいいんだよね)能力がとても高い、いわゆる「コミュ力」が充実している感じの女子。見た目で「ダークエルフ」と恐れられるけど、結局みんなと仲良くなっちゃうところがすごい! いわゆる「自称コミュ力高い人」と違って、自分のようなコミュ障風味のおじさんからしても、あにすちゃんだったら仲良くなれるかもしれない、と思わせてくれる、とても気持ちのいい子です。いろいろと自分を卑下しているあにすちゃんだけど、どう考えても絶対この子は頭がいい。出会う相手を絶対否定したり、思い込みで決めつけたりしないところがとても魅力的な方です。
最近は見かけることのめったになくなった黒ギャルだけど、その中身はきっと純白(布の話ではない)であると信じられるに到った今作、是非ご一読を!
天下国家と人民のために! などといいつつ単にあの女が嫌いなの
生徒会に宣言書を突きつけ息巻く過激な美少女・黒羽瑞穂と、彼女の制御役、もとい監視役の白根与一は、スクールカーストでは最下層に位置していた。2人に声を掛けるのは、カーストのクインビーである中善寺さくらだけだと思っていたのだが……男子バスケ部の高崎が白根に入部を勧めてきた。彼は王様(ジョック)の地位にある者と知り白根は警戒する。更にさくらの取り巻き女子である渋川が黒羽の怒りをかうという事件が勃発して!?
「“ギョーザの街”宇都宮におけるプロレタリア革命、完結!!」「異議なーし!!」ササーッ。……(不意打ちからの即撤退)。 何いってんでしょうか相変わらず。いまだ学生気分が抜けない大ちゃんですが、1960年代後半から1970年代までの時代の空気が忘れられないくらいにはじじいです。ずいぶんじじいだなおい。ああ、思い出す。10.8弁天橋の〇〇派はめちゃくちゃ強かったんだよ。ここで大事なとこを伏せ字にしちゃうくらい大ちゃん、メンタルがバリケードです、じゃなくてデリケートです。 時代の空気って、小説や映画、ゲームやアニメなんかから漂ってくるかもだけど、ひょっとしたらラノベからいちばんあふれ出てくるんじゃないだろうか。現代中高校生のゲバルトは電脳デバイスとSNS上で展開されるのか。一点突破全面展開。ほんの小一時間うろついてるだけで誰かと会ってしまうような小さな街で、一生の思い出(またはトラウマ)になってしまう階級~恋愛闘争が繰り広げられる。──神は細部に宿る──そのへんのイカしたじじいをつかまえて本作を読ませてみよう。まったく違う感想とツッコミ必至。面白さが複合的なんすよ、この作品。前巻と合わせて2回読んでよ。2回目は気になったキーワードを検索して調べながら。「えー? で、でもぅ……」──デモもストライキもないっ!! 読まないとジグザグにデモすんぞ。
やっぱりビッチはいないんだ
伊吹と愛羽のマネージャー業も終わり、ほっとしたのも束の間、耕介に愛羽との縁談が持ち上がる。さらに時を同じくして、伊吹との学生結婚話も出てしまい、戸惑いを隠せない耕介。そして彼の意志とは裏腹に事態はとんとん拍子に進み、結婚に待ったをかける伊吹の許嫁候補と決闘することになり……!? 「最後に聞くわ。私のことが好きなら、もちろん結婚してくれるわよね? ビッチ×オタクの学園ラブコメ、選択を迫られる第8弾!
もはや「病気の女の子」並に「よかった、やっぱりビッチはいないんだ」と確信させてくれるこの作品も遂に8巻に到達。それぞれ魅力的な女子に囲まれ、おっぱいに挟まれたり、足蹴にされて踏まれたりと、とても楽しそうな主人公の耕介が羨ましいのはもちろんのこと。いよいよ大きな選択を迫られそうになった耕介くんがすこし大変そうです。 そりゃー、巨乳には寿命があって、若いころは「ボイーン!(キリッ)」でも時が経つと「ぼょーんorz」ってなるので、おっぱい史観で見てはいけないなあ、と思いつつも、読者のみなさんもそうかもしれませんが、どの子と交際したいかなあ……という観点で毎度読ませていただいております。こういう企画なのでぶっちゃけると、自分は愛沢さん派なのです。生きているとあんなに優しく声をかけてくれる人はほとんどいないもんなあ(巨乳派でもあるのですが……)といいつつ、「たまには東雲さんに厳しく言われて、ぞくぞくしないと男はダメになるよなあ、厳しく振り回されるのもいいなあ」→舌の根の乾かぬうちに今度は、「元ヤンの九重さんは分かり易くてそこがホッとするなあ」→「天ねえならそのまま仲良くなれそうだな」→「シャルテが妹じゃなきゃなあ……」→「愛沢さんが(略)」という永遠ループが始まるので、校了にも時間がかかります……。おっとちなみに、愛沢さんのお母さん、が今回の穴枠になりますね! 熟女がだいたい自分より若い、お気に入りアイドルの両親が年下だという心の痛み(笑)を乗り越えつつ、毎回たのしみな今作もぜひお手にとってごらんくださいませ。