清野とおる。愛すべきクセの強い住人たちが多数登場する、東京都北区赤羽を舞台にしたエッセイ漫画で知られる、本人もクセ強な漫画家。
2019年、このふたりの結婚報道が駆け巡り、世の中的には「壇蜜がついに結婚!」、一部漫画好き界隈では「清野とおるが壇蜜と!? どういうこと!?」と大騒ぎになりました。
本作は、そんな壇蜜と清野とおるのラブラブな新婚生活をつまびらかに描くほっこりエッセイ漫画……ではありません。これは、謎に満ちた生態が少しずつ明らかになる奇人・壇蜜と、この不思議な存在と波長を合わせ、阿吽の呼吸で奇妙な出来事の数々を受け入れていく清野とおるによる、奇想天外な日々を綴った衝撃的な実録エッセイなのです。
はじまりは「わたしと結婚しましょうよ」
この出会いをきっかけにふたりは接点をもち、少しずつ距離を縮め、やがて交際へと発展、愛を育む中でいよいよ結婚へ……という流れかと思いきや。
それから数日後。ロケの衝撃も落ち着いて、ふとテレビやラジオ、雑誌を見ればやたらと壇蜜が目に入る。そして手元には連絡先が書かれた紙――。壇蜜が気になって仕方がない清野とおるは、「ロケのお礼」を建前に、ついに壇蜜へメール送信。これは、男として自然な流れでしょう。壇蜜の引力に抗うなど、無駄な対抗。こうして1日1回、内容的には無難なやり取りを続けることになります。
地元・板橋に壇蜜降臨! 清野とおる、パニック
こうして1日1往復のメールや、1~2ヵ月に一度の逢瀬を重ねながら、気づけばふたりはいつの間にかこんな関係性になっていたのでした。
壇蜜劇場開幕! 奇人・壇蜜の魅力を堪能せよ
そんな彼女(と清野とおる)の暮らしのなかで起こる様々な怪奇現象、あるいは彼女自身の摩訶不思議な生態などを観察し、愛でるような感覚を味わえるのが本作の醍醐味。
さらには、いったいこれは何の会話!?という稀有なやり取りも。
確かに奇人ではありながら、その奇妙な部分がピュアでチャーミングに見えてくる壇蜜と、さすがは赤羽実録エッセイ漫画をヒットさせただけのことはある、その細かいツッコミや独特の切り口が素晴らしい清野とおる。
ふたりだけの不思議な世界を覗き見させてもらう楽しさを噛みしめながら、どうか末永く幸せになってほしいと願わずにはいられない作品です。








