母国語が英語の国に生まれていたら、どんなに楽だっただろう、といつも思います。
実は全く英語が喋れないにもかかわらず海外1人旅をして難儀だったので、それ以来テレビやラジオの英語番組で勉強しては忘れ、また勉強しては忘れを繰り返しています。
その程度の英語力しかない私ですが、『英語イディオム語源辞典 語源とイラストでスラスラ覚える』は、かなり面白い!! 直訳と正しい意味があまりにも違いすぎて思わず笑ってしまうほどです。
この本は、「直訳」「正しい意味」「語源」「例文」「イラスト」の5点セットで書かれているので、とてもわかりやすいのですが、私が思わず噴いてしまったのは「as happy as a clam」。
出ました!! as。as~asに限らず、asは使いこなしたい単語の1つです。
直訳すると「ハマグリのように幸せな」。
ハマグリのことを幸せだと思ったことが一度もないので、はぁ!? です。
もし友人から、Your boyfriend looks as happy as a clam. と言われたら、「あなたのボーイフレンドってハマグリみたいにオメデタイ人ね」と歪曲して解釈し、なんだとコラ!!となっていたと思います。
または、英語で言い返せなくて、悔し涙を流していたことでしょう。
ではなぜハマグリなのかというと、泥の中のハマグリは外敵から身を守る必要がなく、平穏に暮らせるからだそうです。
ただの暗記ではなかなか頭に定着しませんが、こうした語源が書いてあることによって覚えやすくなっています。
もう1つ、こんなのもありました。
下手に「キューカンバー」が「キュウリ」だと知っていると、逆に厄介だったりします。この単語が耳に残るので。
私の場合、真っ先に頭に浮かんだのは、お祭りで見かける割り箸に刺さった冷やしキュウリでした。
だからもし友人に、Your boyfriend is as cool as a cucumber. と言われたら、「あなたのボーイフレンドはキュウリみたいに冷たいね」と解釈し、顔が引きつっていたと思います。
あるいは、cool=カッコいいという意味でもよく使われるので、「キュウリみたいにカッコいいね」って皮肉か!! と深読みしたと思います。
「as cool as a cucumber」の「直訳」は、「キュウリのように爽やかな」です。
しかし実際に使われる時は、「非常に冷静な」「落ち着き払って」という意味になります。
うーん、知らないって怖い!!
こんなふうに、自分で例文を作って妄想して遊んだり、その延長で色々と調べていたら楽しくて楽しくて、なかなかページが進みません。
もう1つ、発見もありました。
「bite the dust」どこかで聞いたことがあるな~と思ったら、クイーンの「Another One Bites the Dust」(邦題:「地獄に道づれ」)に使われているじゃありませんか。
直訳すると「ほこりを噛む」ですが、正しくは「(戦争で)死ぬ」「(試合で)完敗する」という、もっと深い意味があります。
今まではただ聞き流していたこの曲も、改めて歌詞を確認してしまいました。
正直、私は受験生ではないし、仕事で英語を使う機会もないので、これらを必死に覚える必要はありません。
でも、知っているのと知らないのとでは、大違いだと思いました。
できればどこかで使ってみたい。
もし、使うタイミングがなかったとしても、本当にあなた達は「as happy as a clam」や「as cool as a cucumber」を日常で使うの? と隣り合わせた外国人に聞いてみるのもいいかも! と思っています。
そうしたらきっと「なんで君はネイティブが使う英語を知ってるの?」となり、さらに話が弾むのではないかと。私の妄想は、まだまだ続きそうです。
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp