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2019.04.27

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【新常識】腰痛、お腹ポッコリ、自律神経も「ゼロポジ座り」で体が変わる!

日本人は座っている時間が世界一長いという事実、ご存じでしたか?
日本人は平均して1日7時間も座っていると、2011年にアメリカによる国際的調査で明らかにされました。世界平均がだいたい5時間くらい。2位の台湾よりあたま一つ抜きん出ているといった結果でした。

最近では「座りすぎは喫煙と同じくらい体に悪い」、「座りすぎはがんのリスクを高める」など、さまざまな研究結果が報告されており、うれしくない世界一です。
そんな日本人ですが、普段の生活の基本動作である「座ること」に向き合うきっかけをくれるのが、整形外科医・中村格子先生の『医師が教えるゼロポジ座り 疲れない、太らない、老けない』です。

私はデスクワーカーなので、立っているのは通勤のときかお手洗いに行くときくらいです。自分の周りを見渡してみても、普段関わりのある人たちは大体が座り仕事ばかり。きっと、私と同じようなものでしょう。では私も周りの人も長く座っていることで早死にしちゃうのか。そういった疑問が生まれてくることもわかります。
とはいえ、「座ること」が悪いわけではもちろんありません。

身体に負担の少ない座り方を

「何もせずにじっと座っている時間」が長いほど心臓血管系疾患での死亡率が高まると推測できます。
つまり、座っていて「動かないで」いると血流が悪くなり、その時間が長いほど血流の悪い状態が慢性化して血管が老化し、心臓血管系疾患になりやすくなるためと考えられるのです。

ただ座ることが悪いわけではないのです。長時間座ってぼーっとテレビを見ているような状態がよくないのであって、座っている時間が病気に直結するわけではないようです。
だからこそ、座り時間の長い日本人である私たちにとって、いかに体に負担の少ない座り方をするかが重要なテーマになっているのです。

これらのイラストをご覧ください。
いかがですか? こんな座り方、してませんか?




私はもうなんというか、へそ折れ・あご出し座りが常態的です。なんなら脚だって組んじゃってます。

確かに自分以外の人がこんな座り方しているところを見たら、腰を悪くしそうって思いますし、だらしなくも見えますし、なんというかいろいろ最悪ですね。

こんなふうに本書の冒頭で、どんな姿勢がどうしてよくないのか、ということを簡潔にきっちり思い知らされます。
改善するにはまず現状を知ることがいちばんですからね。

身体のアライメントを正常にする

みなさん、「アライメント」という言葉をご存じでしょうか? あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、これは姿勢の基本となる「骨格の並び」のことです。
(中略)私たちの体をヨットだとすれば、理想的なアライメントの状態とは、脊椎(背骨)である"マスト"がまっすぐ垂直に立っていて、いろいろな関節や筋肉が各方向から帆のように均等に背骨を引っ張り、ゆがみなく支え合っている状態と言えます。

その状態(上の図)が正常だとすると、姿勢が悪いと当然ゆがみが生まれて体に負担をかけてしまいますし、それを続けていると体はその状態が正しいと誤認識してしまうといいます。正しい状態に戻すには、長い時間をかけて正しい姿勢を再認識させなくてはなりません。

整形外科医がおすすめする「ゼロポジ座り」

ニュートラルで良好なアライメントの状態は、骨格のゆがみがゼロであるため、医学的に「ゼロポジション」と言います。

骨格のゆがみを是正して、体に負担をかけないための座り方が、本書で提唱されている「ゼロポジ座り」なんですね。
ちゃんとした座り方というと、私が頭の中で思い描くのが「骨盤をまっすぐに立てて背筋を伸ばした直角座り」です。しかしその座り方は見た目はきれいですが、体幹の筋肉がきちんと鍛えられていなければ逆に疲れてしまうそう(そしてよくない姿勢に戻ってしまう)。

ゼロポジ座りを実践するコツは本書に余すところなく解説されていますが、骨盤を立てて、骨盤と股関節の角度を110度にした座り方が「ゼロポジ座り」です、とここでは解説しておきましょう。詳しくは本書で確認していただくとして。

実際に私が職場にて1ヵ月くらい実践してみたところ、私の席に来る同僚からは「背筋が伸びてるじゃん」「姿勢いいね」「急にどうしたの」「座高高いね」「何か怒られることでもしたの」というような評価をいただきました。概ね、姿勢が良いことに対してのリアクションと捉えてもいいでしょう。実際に、座り方は癖であって、習慣の問題です。意識すれば変えられるという実感も得ました。

そして、へそ折れ座りや脚組み座りをしなくなったからだと思うのですが、腰が楽になりました。最初は気づかなかったのですが、集中力が増したんですね。気がついたらすごく時間が経っていたと感じるケースが増えていました。今までは腰に痛みや疲れを感じて、気分転換のために歩いたりオヤツを買いに行ったりしていたのですが、そういった作業の中断が減って良い感じです。生産性が向上しています。

なので、実践した者として、ぜひ皆さんにも試していただきたいと感じました。
椅子を中心にした暮らしだからこそできる、体幹を鍛えて健康寿命を延ばすコツがつまっています。正しく座れば、姿勢も美しくなるという手軽な生活改善です。
暮らしの中に修行あり、ですよ。

レビュアー

宮本夏樹 イメージ
宮本夏樹

静岡育ち、東京在住のプランナー1980年生まれ。電子書籍関連サービスのプロデュースや、オンラインメディアのプランニングとマネタイズで生計を立てる。マンガ好きが昂じ壁一面の本棚を作るものの、日々増え続けるコミックスによる収納限界の訪れは間近に迫っている

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