■気分がアガる・やる気になる・余裕が出る。自分をアップデートする仕事術
やる気が出ないと、仕事をこなすペースが悪くなったり、ふだんよりもミスが増えたりしてしまいます。そこで、キャリアコンサルタントの金沢悦子さんに、気分がアガる・やる気を高める“コツ”についてうかがいました。やる気をコントロールする……それは仕事の大切なスキル。日常生活に少し工夫を取り入れるだけで、やる気になる方法をご紹介します。
もやもやして気が晴れない! そんなときは、見た目を変えてリフレッシュ
心がモヤモヤ、イライラして、なんだか気分が晴れない。自分でもなぜこうなるのかよくわからないモヤモヤを抱えたままでは、仕事に気乗りがしないだけでなく、毎日が楽しくありません。「そんなときは、気持ちを切り替え、晴れやかになるようなことをしてみましょう。だからといって、特別なことをする必要なし! 意外と簡単なことで、気分が上がるものです」(金沢さん)
「いつもと違う」は気分転換に即効性あり! 気分がアガる3つのポイント
POINT1ふだん選ばない色、デザインの服を着てみる
すぐにできて効果もあるのが「見た目」を変えること。ふだんの自分なら選ばない色やデザインの服を身につける、髪型を変えるなど、見た目」が変わるとセルフイメージが高まって気分が上向きになる。
POINT2いつもと違う道を通ってみる
仕事帰りにいつもと違う道を通る、降りる駅を変え遠回りしてみるのもおすすめ。景色が変わると気持ちもリフレッシュできて、心のモヤモヤが晴れていく。
POINT3新しいモノ、新しいことを選ぶ
ランチは新しい店に行ってみる。食べたことがないメニューを選ぶなど、日常生活の小さな刺激は、気分転換に効果あり!
実は簡単! やる気スイッチをONにする3つの方法
気持ちのいい朝も、通勤ラッシュのストレスでだいなし。やるべきことはたくさんあるのに、デスクについてもやる気が出ないまま、時間だけが過ぎていく……。気持ちの切り替えがうまくできない「困った!」は、誰もが経験していることでしょう。でも、やる気スイッチをオンにするのは、意外と簡単です。ポイントは「朝の習慣」。朝はまだ多くの刺激を受ける前なので、始業前のちょっとしたことで脳に刺激を与えると、仕事へのモチベーションがグッと高まります。
1.「朝の習慣」と「やる気」をひも付けする
いつもやっていることに何か1つ新しい習慣をプラスして、出社から仕事を始めるまでの流れを作ることがポイント。毎朝、出社後にコーヒーをいれてから仕事に取りかかる場合なら、「コーヒーをいれる」と「仕事を始める」の間に「手を洗う」「うがいをする」など「新しい習慣」をプラスする。
2.集中力が落ちてきたら「香り」で脳をリフレッシュ!
集中力の低下は、心とカラダを休めるようにという脳からの司令。いい香りの飲み物や、好きな香りを楽しんで5分も休憩すれば、やる気がよみがえってくる。
3.どうしてもやる気が出ないときは「まず始める」
人はいったん行動を始めると、やる気が出て簡単に継続できるようになっている。やる気がでなくても仕事に取りかかると、「作業興奮」と呼ばれるこの心理作用が働いて、気づくと仕事に集中している。
効率アップで余裕も生まれる。デキる人の時間の使い方をマネてみよう!
いつも仕事に追われていて、気持ちにも、時間にも余裕がない。時間が足りず、ちょっとした作業が積み上がってしまう……。そんな状況から抜け出すヒントは、「デキる人」の時間の使い方にあります。たとえば、限られた時間内に仕事を効率よく仕上げるために大切なのが“一石二鳥”を意識すること。それは「〜しながら」「〜するついで」、あるいは、似たような作業(タスク)をまとめて複数の仕事を同時進行する、といったことです。「仕事の効率アップだけでなく、十分に確認する時間の余裕が生まれます。さらに、たった数分でも“スキマ時間”ができれば、自分が好きなことをしてOK! 気持ちにゆとりができて、自然と時間の使い方がうまくなりますよ」(金沢さん)
同時進行で複数の仕事をこなす「マルチタスク」のスキルを磨こう!
「マルチタスク」とは、コンピュータ用語で「複数のタスク(作業)を切り替えて実行できるシステム」のこと。実は、「ウェブサイトを見ながらメールに返信する」や、「野菜を炒めながらお味噌汁を作る」といった私たちが日常的にしていることも「マルチタスク」です。
マルチタスクのステップ1
1つの仕事を作業(タスク)単位に分解。いくつかの仕事でくり返したら、それぞれの作業を着手する順番に並べ替えて、スケジュールを組み立てます。
マルチタスクのステップ2
スケジュールができあがったら、あとは順番通りにこなしていくだけ。大変な仕事も、切り分けた作業単位なら意外とあっさりできるもの。スモールステップで完了するごとに「できた!」という達成感もあり! 段取りを考えたり、急なスケジュール変更に対応したり、仕事全般に関わるスキルアップにつながります。
「ついで」と「ながら」でゆとりの時間を作り出そう
日々の生活のなかには、ちょっとした「スキマ時間」が発生します。移動中の車内や打ち合わせまでの待ち時間など、たった5分でも1日、1週間、1ヵ月単位で考えると、かなりの時間に。本を読む、音楽を聴くなど仕事とは無縁に思えることが、意外なところで仕事に役立つことがあります。仕事をするにも、休憩するにも中途半端な短い時間は、さまざまなことからの「インプット」で視野を広げることに使ってみませんか?
忙しい人にもできる! スキマ時間を作り出す5つの方法
1.10分前行動を習慣にする
約束の時間ぴったりに到着するのではなく、10分前を目安に行動。資料の確認や読みかけの本を読むなど、時間と気持ちに余裕が生まれる。
2.作業をまとめる、「ついで」に手伝う
印刷、コピーとりなどの作業はまとめて行うなど、複数の仕事を同時に進める工夫を。コピーとりなどは、ほかの人の分も「ついで」に手伝うことで、あなた忙しいときに協力してもらえるなど、結果的に自分の時間にゆとりをもたらすことにもなる。
3.通勤時間は「ながら」に活用
通勤時間は、「ながら」活用で語学の勉強や情報収集などに使う。スキマ時間を使う「プチ朝活」で1日の仕事の効率もアップ!
4.会社も家も整理整頓を意識する
散らかってからでは、片付けるだけでも大変。使ったモノは取り出した場所に戻す習慣をつけるだけで、モノを探す時間と手間が減らせる。
5.食事やくつろぎの時間は節約しない
食事をしながらの仕事は、時間を有効活用しているようで実は大切なリフレッシュタイムをムダ使いしているようなもの。休むときはしっかり休んでメリハリをつけるように心がけて!
5分・10分・20分「スキマ時間」にできること
5分あったらできること
スマホでメールをチェック/スケジュールの確認/ToDoリストの確認/かばんの中の整理
10分あったらできること
メール返信/電話をかける/経費の領収書の仕分け/本を読む/映画や美術展などのチェック
20分あったらできること
書店に立ち寄って本を買う/共有スケジュールのチェック&入力/新聞やビジネス書を読む
「20~30分あったら、カフェなどに入ってくつろぎながら、日報を書く、企画のアイデアを書き出す、資料を読むなどまとまった作業もできます」(金沢さん)。
出典元:https://kurashinohon.jp/1031.html
イラスト/たつみなつこ
株式会社はぴきゃり代表取締役。はぴきゃりアカデミー代表。統計心理学i-colorエグゼクティブトレーナー。
1991年、株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)に入社。営業に従事し、新人MVP賞を受賞。
1994年、株式会社キャリアデザインセンターに創業メンバーとして参画。広告営業で同社初、売り上げ1億円を達成。広告営業局局次長、広報室室長を歴任するも、仕事との距離感がつかめずに心と体を痛めてしまう。この体験をきっかけに、「幸せに働くってどういうこと?」という問いへの答えを求め、2001年、日本初の総合職女性のためのキャリア転職マガジン『ワーキングウーマンタイプ(現ウーマンタイプ)』を創刊、編集長に就任。編集長時代、5000人以上の女性を取材し、ハッピーキャリアを見つけるための4つのステップを体系化する。
2005年に独立し、有限会社フォーウーマン(現株式会社はぴきゃり)を設立。2011年、女性のためのキャリアの学校「はぴきゃりアカデミー」開校。「年間300人以上の女性たちを「ココロとサイフが満たされる仕事発見」へと導いている。
『図解 自分をアップデートする 仕事のコツ大全』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。