かつお節って、えらいなあ
ここ数日アタマから離れない「ごはん」がある。早く寝て早く起きて、朝ごはん(普段プロテインしか飲まないのに!)に絶対食べよう、週末のお昼も確定でしょ、あ、おむすびにしてお弁当にも入れちゃうか、もちろん朝も食べるけど。こういうことを考えながらワクワク眠りにつく。離れがたい。
食べ物にここまで脳内ジャックされるのは久々だ。『かつお節さえあれば、かんたんに料理上手 うまい!「おかか」ごはん』で出会った“クリームチーズ+粗びき黒こしょうのおかかごはん”のおかげで、私ちょっと早起きになった。
まず第一印象から最高で。いろんな「おかかごはん」の集合写真です。全員いい。(この次のおかかおむすびコレクションも愛らしくてグッとくる)
圧巻。電車の本の同じページを延々と見つめる甥っ子の気持ちは、これね。ずっと見てたい。こちらに居並ぶのは、“「にんべん」社員のみなさんに聞きました。これがうまい!私のおかかごはん”というテーマのおかかごはん。かつお節のプロに選ばれし最強おかかごはん……。私の推しおかかごはんの“クリームチーズ+粗びき黒こしょう”は右上にいます。作るとこんな感じ。
ホカホカのご飯に馴染んだクリームチーズのコクと、黒こしょうの辛みと、鼻に抜けるかつお節の香りと旨味。かつお節が主役を張りつつ、個性ある全員をまとめる器用さも発揮してる。しかも、材料をのっけるだけの手軽さ。食べると幸せで頭がパンパンになる。ご飯が残り半分になったタイミングでかつお節と黒こしょうを足すのが好きです。
本書は、日本人のソウルフード「かつお節」が大活躍するレシピ本。かつお節のいろんな顔を知ることができます。ああ、なんて気さくで優秀で奥が深い食べ物なの。
かつお節は、オリーブオイルとも仲良し:その1
本書はいくつかの章に分かれています。
第1章 なにしろ「ご飯」に合う!
第2章 野菜をサッとおいしく食べる
第3章 いつものおかずがパワーアップ
第4章 簡単だしで作る一品
第5章 「にんべん」社員の晩酌おつまみ
かつお節をめぐる おいしい話。
おかかごはんもいいけれど、第3章に出てくる“豚しゃぶと香味野菜のおかかしょうゆ和え”を夜ごはんに作ってみました。かつお節って、お肉とも相性がいいのか。
好きな香味野菜をザクザク刻んで(今回はみつ葉、みょうが、青じそ)、お醤油とお酢とオリーブオイルで和えて、最後におかかを加えて豚しゃぶにのっけます。やっぱり簡単! しかも、かつお節でお魚の栄養も一緒に摂れる。
いろんな意味でおいしい。
かつお節がお醤油と相性がいいことはもちろん知っていたけれど、オリーブオイルとも仲良しなのでびっくり。コクが増すんですね。夏はそうめんや冷奴と一緒に頂いてもおいしいだろうな。
かつお節は、オリーブオイルとも仲良し その2
最後にこちら。“第2章 野菜をサッとおいしく食べる”のお野菜レシピの中でも異彩を放っていた「マッシュルームのおかかアヒージョ」です。これが画期的アヒージョで。私は一般的なアヒージョよりも好きです。家で作るなら絶対おかかアヒージョ。
ブラウンマッシュルームも混ぜつつ作りました。火を止めてからサッと混ぜると、ぐつぐつ煮たったオリーブオイルのいい香りが一層おいしい香りに変わって驚いた。このアヒージョのいいところは、大きくは下記の3つ。
1:アンチョビより手軽
アヒージョの材料に必要なアンチョビを、日頃から缶詰やソースで用意しておくのは私には少し難しいけれど(使いきれないことが多い)、かつお節ならパックで個装されているので、いつも新鮮なまま料理に使えて、手軽に作れます。
2:塩気を調整できる
かつお節はアンチョビと違ってしょっぱくないので、アヒージョの塩気を自分で調整できます。いざやってみると、ここがとても便利でありがたかった。
3:オリーブオイルとかつお節が……!
ふわふわのかつお節がね、吸うんですよ。ニンニクと唐辛子とマッシュルームの旨味が染み出たオリーブオイルを。この凶暴なくらいおいしいかつお節は、パンがなくなった後もスプーンですくって残さず食べました。
かつお節を使うだけで、料理の味がグッと深くなる。かんたんなのに効果は抜群。アミノ酸たっぷりで栄養もある。しかも和風以外の味付けにも馴染める器用さ。そんなかつお節のいいところをフルで楽しめるお料理本です。ほんと、かつお節って、えらいなあ。
レビュアー
元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。