■オーガニックコスメ=肌にやさしいわけじゃないって知っていますか?
ますます人気が高まり、手に入る種類も増えたオーガニックコスメやナチュラルコスメ。大手メーカーの科学的な製品より、肌にやさしいような、体にもいいような印象を持つ人、多いのではないでしょうか。皮膚科医、髙瀬聡子先生の新刊『ゆる美容事典』では、そんなオーガニックコスメの真実の姿と、選ぶべき化粧品のポイントを教えてくれています。
Q. オーガニックコスメ、ナチュラルコスメは肌にやさしい?
A. 「肌にやさしい」「肌にいい」という意味ではありません。
――オーガニックコスメって肌にやさしそう。自然の植物から作られた化粧品でケアしながら、丁寧に暮らすわたし、的な気分になれるのもいいですよね。
髙瀬先生「自然なものは人にやさしい、というイメージがありますが、肌にとってはそうではありません。たとえば皮膚科では、肌あれしている人にはワセリンだけを塗るように指導します。最も精製された油であり、不純物が肌に刺激を与えることがないからです。その逆で、自然のままの成分はさまざまな微量成分を含んでいるので、人によってはトラブルの原因に。不安定で変質しやすい場合もあります。もちろん肌に合えばパワフルな植物の力を堪能できますが、やさしいお手入れをしたいなら、むしろ科学の力で安定化された化粧品を使いましょう」
――使ってみて肌に合うものを探したい場合は、何を基準に選べばいいですか?
髙瀬先生「オーガニックコスメは有機栽培された植物を使ったコスメ、ナチュラルコスメは自然派のコスメですが、日本には認証機関がないため、配合率や製法は各メーカーに任されています。まさに玉石混合の世界なので、選ぶ側の知識や判断力が重要。とりあえず、世界の代表的なオーガニック認証機関は把握しておきましょう」
・ECOCERT(フランス)
・NATRUE(ベルギー)
・demeter(ドイツ)
・USDA(アメリカ)など
Q. そもそも化粧品って、種類も会社もあまりにも多くて、何を選んでいいのかわかりません!
A. 自分に合っている(トラブルがない)ことが大切。あとは「続けられること」を重要視して。
――オーガニックコスメもそうですが、今は本当にたくさんの化粧品があって、いったい何を使えばいいのかクラクラします。
髙瀬先生「化粧品は薬ではないので、基本的にルールはひとつだけ。使っていてトラブルがないこと=自分の肌に合っていること。そこさえ満たしていれば、あとは何を選んでもOKです。参考までに、いくつか特徴を挙げてみましょう」
・国産デパートコスメ
「成分から処方、パッケージまでこだわったものが多い」
・通販コスメ、ドラッグストアコスメ
「価格重視でこだわりはほどほどです」
・ドクターズコスメ
「やさしいものと攻めたものがあります」
・フランスブランド
「植物療法に長けたお国柄、植物の効能を発揮させやすい処方になっています」
・アメリカブランド
「マーケティング重視で特徴が明確であることが多いです」
髙瀬先生「あとは香り、テクスチャー、パッケージ、世界観などが『好きかどうか』は重要。無理なく続けられる価格もポイントになります。自分にぴったりとくる好きな化粧品を選びましょう」
皮膚科医。ウォブクリニック中目黒総院長。東京慈恵会医科大卒業後、同大に皮膚科医として勤務。2003年にスキンケア化粧品「アンプルール」の研究開発に携わり、2007年にウォブクリニックを開設する。専門は皮膚科と美容皮膚科。丁寧でわかりやすいカウンセリングによる美容医療と薄毛治療の人気が特に高く、雑誌、テレビなどでも活躍中。著書に『いちばんわかるスキンケアの教科書』(講談社刊)がある。
イラスト/ナカオテッペイ
『ゆる美容事典』のほか、料理、ファッション、ダイエット・美容など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
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