■人気の落合務シェフが だれでもおいしく作れるパスタのコツ公開
テレビでも人気「ラ・ベットラ」の落合務シェフ。「シェフのレシピ通りに作ったら、おいしくできる」と評判です。料理はいい素材よりも「腕」。「腕」とは「経験」「知識=理屈」「技術」。経験と技術はもう実践あるのみ。ただ「知識=理屈」が加われば、料理の上達は違ってくるとシェフはいいます。
知識=コツがつまった著書『「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ』からパスタの基本を教えていただきました。(全3回)
■ソースにパスタを入れたら、火にかけない、が肝! にんにくと赤唐がらしオイルのスパゲッティ
にんにくと赤唐がらしのオイルスパゲッティのコツは、「にんにくにホクッと火を通す」ことと「油」と「水」をくっつける「乳化」です。
まず大事なのは、にんにくの火の通し方。常温のオリーブオイルとにんにくを火にかけて、きつね色になるまで火を通す。思っているよりも時間をかけて、ていねいにていねいに火を通すのが第1のポイント。
次の要はソースを乳化させること。相性の悪い「水」と「油」をくっつかせる、つまり、乳化させるのがポイント。火にかけて炒めると、水分は蒸発し、オイルが残る。だから油でべたべたしたパスタになるんです。ソースにパスタを入れたら、火はつけない、これ大切! さぁ、作ってみましょう。
材料(2人分)
スパゲッティ……160g
| 水……3L
| 塩……4g
(にんにく唐がらしオイル)
| EXVオリーブオイル……60ml
| にんにく……4かけ(4等分くらいに切る)
| 唐がらし(半分に折って種を抜く)……2本
パスタのゆで汁……約60ml
無塩バター……10g
イタリアンパセリ(刻む)……適宜
※バターの代わりに、パルミジャーノのすりおろしでもよい。
※ゆで汁をオイルとなじませることで、ゆで汁の塩分がついて、塩けがちょうどよくなる。
作り方
①フライパンを傾けて、にんにくが油に浸って浮いた状態で火にかける。最初は強火。泡がたくさん出てきたら、弱火にする。
「火にかける、最初は強火。どんな料理もそうだよ」
②きつね色になり、芯まで火が通ったら、火を止める。このとき竹串を刺してみて、スッと通ればOK。フライパンからにんにくを取り出す。
③オイルの熱が落ちたら、赤唐がらしを入れる。少しゆすってオイルに辛みをつけて、しばらくしたら赤唐がらしも取り出す。
④ソースのメドが立ったところで、パスタをゆで始める。パスタを湯に入れたら、10~20秒かき混ぜてほぐす。
⑤③のソースが常温に戻ったところでゆで汁を少し加える。火をつけずにフライパンをゆすって、回して、オイルとゆで汁をよく混ぜる。これを3回くらい繰り返す。しっかり乳化させて、とろりとしたドレッシング状態にする。
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「ソースが熱くて、ジャーッという音がしちゃダメ。ジャーッは水分が蒸発する音。水分が蒸発すると、ゆで汁が「乳化剤」にならず、ソースが分離しちゃうよ」
⑥パスタの湯をよくきって、ソースとあえる。トングなどでくるくると混ぜてソースをしっかりからめる。
「パスタに湯がたくさんついていると、ソースが分離しちゃうよ」
⑦指で溶かしながら、バターを加える。さらにくるくるとよく混ぜて、パスタにソースをからめる。お好みで最後にイタリアンパセリやレタス、水菜などをくわえてもいい。
「バターを入れるとうまく“乳化”して、ソースがパスタにしっかりくっつくよ」