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2018.05.03

レビュー

10年後の老化度が圧倒的に変わる!? 日常生活のOK / NGチェックリスト

・朝の挨拶をしない 
・食後に歯磨きをする
・夜中に起きて水を飲む

どれも著者が「やってはいけないこと」としてこの本で取り上げたことのごく一部です。

なぜ「挨拶をしない」と健康に差し障りが起きるのでしょうか。

初めて会った人とコミュニケーションがうまくできるかどうか、それによって認知機能の衰えに差が出ることは、現在の医学界でもさまざまな研究が行われ、多くの実証がされています。(略)私の知っている高齢者施設の方も、自ら進んで挨拶のできるご老人は認知症やアルツハイマーの発症がない、もしくは発症が遅い場合が多いとおっしゃっています。

さらに「挨拶」では笑顔を作るように心がけると「脳が活性化し」「副交感神経」を働かせてストレスを発散させることができます。これはなんとなく理解できます。ではあとの2つはというと、

食後すぐの口内環境は、食べ物に含まれる酸や糖分をエサにしている口内細菌の働きで酸性になった状態です。このような環境下では、歯の硬いエナメル質が一時的に溶けやすくなり、柔らかく傷つきやすくなっています。

この状態での歯磨きは歯を傷つけてしまうことになるし、また「食後に活躍してくれる『唾液』も一緒にすすぎながして」しまうことになります。

夜中に起きて水を飲むというのも、睡眠中の口内環境は「大量の雑菌が繁殖」しており、そのまま水を飲むと「免疫力の低下を招き、感染症のリスクを高める」ことになったりします。水を飲む前に口をゆすぎましょう。

この本の前半では上記のような健康常識チェックが30近く収録されています。普段私たちが「ついついやってしまいがちな、健康に対するマイナス行動」が取り上げられています。ジョギングの注意点や服装、さらに性ホルモンに関する話までチェックにあげられたことに驚く人はきっと多いと思います。

まずは、この本片手に知らないうちになんとなく健康にいいのではないかと思っていることを再確認してみてはどうでしょう。

これらに次いで「腸内フローラ」の重要性を記したあとに「これだけは避けたい」というものが16項目、正しいダイエットの仕方が6項目あげられています。詳細は読んで欲しいのですが「避けたいもの」のいくつかを紹介してみます。

・魚ばかり食べる:肉は週2回、魚は週5回が理想的
・カットフルーツが好き:果物は皮ごと食べる
・ホカホカの白米:玄米、発芽玄米、雑穀米がおすすめだが冷めた白米は腸にいい
・いろいろなヨーグルトを食べる:自分の腸に相性のいいものを見つける方がいい

さらに納豆、アイスクリーム、ニンニク、サプリなどなどの解説が並んでいます。なんとなく知っていたことも含めて今一度その理由を知っておくことは大事です。

ここで重視された「腸内フローラ」については次のことを忘れないようにしましょう。

腸内フローラを構成する菌の理想的なバランスは、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の割合がそれぞれ二対一対七であるとされています。このバランスが崩れて悪玉菌やそれに影響された日和見菌が活発になってしまうと、腸内細菌が出す有害物質が体に蓄積される、善玉菌の働きが阻害されて免疫力が低下するなど、体にとってさまざまな問題が生じるのです。

この本にはさらに驚かされる指摘が続きます。「地獄の食べ合わせ」です。合食禁(がっしょくきん)とも呼ばれていた「食い合わせ」とはもともとは中国からきたもので「陰陽五行説」に基づいた食材の取り合わせのことです。この組み合わせには科学的な根拠に乏しく誤った常識となっています。たとえば「ウナギと梅干し」は食べ合わせが悪いものの代表として知られていますが、著者によると「どちらも疲労回復効果があり、組み合わせがいいもの」なのだそうです。なぜ食い合わせが悪いものと考えられたかというと、ウナギの脂と梅干しの酸味が消化不良を起こすと考えられていたからです。

それはともあれ、この本で食い合わせが悪いものとされた組み合わせをあげてみます。
1.トマト+キュウリ:ビタミンCを破壊
2.レモン+紅茶:レモンの防かび剤を注意
3.サンマ+漬物:発がん性物質の生成
4.しらす+大根おろし:リジンの吸収を阻害
5.ネギ+ワカメ:ワカメのカルシウムの吸収を阻害
6.ニンジン+野菜・果物ジュース:ビタミンCを破壊
7.ホテイシメジ+アルコール:中毒症状が出る可能性
8.ほうれん草+ベーコン:鉄分、カルシウムの吸収を阻害

どれも普通に食べ合わせている組み合わせです。ですが1や6のようにビタミンCを破壊したり5や8はカルシウムなど一方の食材が含んでいる栄養の吸収を損なったりする悪い食べ合わせです。さらには中毒症状を出したり(7)、発がん物質と思われるものを生成する(3)こともあるそうです。どのような悪影響がでるのかの詳細は読んで欲しいのですが、どれも納得できる根拠が示されています。

とはいっても、一手間加工したりすることで、この悪い要素を取り除くことができます。これもまた丁寧に書かれています。ここでも実践的な本という著者の狙い十分に生きています。

悪い食い合わせのあとには「鶏肉+レモン」から始まる「天国の食べ合わせ」が7種類あげられています。これもまた丁寧にその効果が書かれています。

この本を片手にもう一度「生活習慣」を見直してください。そして正しい「生活習慣」を身につけましょう。

長寿と健康の両立は、小さな生活習慣の改善が積み重なってこそ成り立ちます。そのための第一歩として、本書を役立てていただけるよう願います。

「挨拶する」というように心のあり方も重要です。「笑顔」だけでなくストレスホルモンを流し出してくれる「涙を流すこと」やさらに「トキメキ」も大事です。あとは実践するだけです。

レビュアー

野中幸宏

編集者とデザイナーによる書籍レビュー・ユニット。日々喫茶店で珈琲啜りながら、読んだ本の話をしています。政治経済・社会科学から芸能・サブカルチャー、そして勿論小説・マンガまで『何でも見てやろう』(小田実)ならぬ「何でも読んでやろう」の2人です。

note⇒https://note.mu/nonakayukihiro

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