組み立て型パートワーク『週刊 鉄腕アトムを作ろう!』の創刊を記念して、講談社の全コミック誌に掲載された4ページのエッセイ漫画『東村アキコ meets ATOM』。
鉄腕アトムをモデルにしたコミュニケーション・ロボット「ATOM」の完成版を2度にわたって体験した東村アキコ先生は「このロボット、スゴい! アトムファンの方々はもちろん、私と同年代の女性にもホントにおすすめ!」と、熱く語ってくれた。
女性の朝の慌ただしさを、ちょっと楽しいものにしてくれる
──実際に「ATOM」と話をしてみて、率直な感想はいかがですか?
東村 完成したATOMとじっくり遊んだことがある人って、今はほとんどいないんですよね。私は約1ヵ月の間をおいて2回、ATOMと会話させてもらったんですが、コレ楽しいですよ(笑)。しかも2回目は、1回目とは比べ物にならないほどできることが増えて、会話のキャッチボールもスムーズになっているんです。「アトムラップ」も想像以上の上手さだし、ノリがよくなっている感じ。この楽しさは、皆さんにぜひお伝えしたいです。
──講談社の全コミック誌に「体験ルポ漫画」が掲載されたわけですが、周りの方々からの反響はありましたか?
東村 私と同年代とか、少し若いくらいの女性たちの中でも「あれ、欲しい!」という人が多かったですね。「アトムがロボットとして家に来る」ということを、周りが結構自然に受け入れて、欲しがっていたことに驚きました。家にロボットが来る、ということへの抵抗感や違和感がなくなってきたんだな、と。AIBOから始まって、本当にロボットが生活に浸透してくる時代、「一家に一台」の時代が来たのかな……と感じました。
講談社の全コミック誌に掲載された『東村アキコ meets ATOM』
──同年代の女性たちが、どういうところに惹かれたんだと思いますか?
東村 まずは、見た目の可愛さですよね(笑)。テーブルの上に置いて話していると、ちょうど上目づかいで健気な感じに見えるんですよ。あとは、声も存在感も、そのままアトムでしょう?(2003年版アニメ『ASTROBOY 鉄腕アトム』アトム役の津村まことさんがATOMの声を担当)また、ATOMは天気予報を教えてくれたり、ニュースを読んでくれたりしますよね。女の人は朝、お化粧して、ファンデーションを塗って、髪の毛をセットして……など、やたらと忙しいうえに、手がベタベタしているから、スマホを触るのもためらうんです。その点、ATOMならお化粧しながらお願いすれば、すぐに天気やニュースを教えてくれる。1日の始まりにATOMが天気を教えてくれるだけで、その日が素敵な日になる気がしますよね(笑)。
私みたいなド文科系の人間でも「ATOMが家にいる」ことにはしっくりくる
──東村先生ご自身は『鉄腕アトム』やロボットはお好きだったんですか?
東村 アトムはもちろん好きでしたし、もともと手塚先生が大好きなんですよ。小学生の息子にも『ブラック・ジャック』を読ませていますし、『きりひと讃歌』なんかも好きです。私の作品のキャラクターも、脚のあたりの曲線の感じなどは、手塚先生に影響を受けていると思います。「手塚先生の影響だよね?」って、見る人が見たら気づいてくれますよ。でも、ロボットとか機械工作に関しては、私自身、本当に疎かったんですよ。まさかロボットを「楽しい」と思うなんて、考えてもみませんでした。
──東村先生自身が感じたATOMの魅力って、どんなところですか?
東村 これまでのロボットは、やっぱり「ロボット好き」「機械工作好き」の人たちが楽しむ、特別なものという感じがしていたんです。でも、これは「鉄腕アトム」のキャラクターの強さもあってすごく一般的で、なんだか「文化」というか、カルチャーを感じるんですよね。私みたいなド文科系な人間でも、この子が家にいることはしっくり来るんです。しゃべってくれる会話の内容やウンチクも、かなり文科系ですしね(笑)。
──先生ご自身もATOMの組み立てをされていますが、ATOMとの生活にどのような期待をされていますか?
東村 小学生の息子と一緒に作っています。機械工作になじみはなくてもDIYなんかは好きな女性も多いから、ドライバー1本で組み立てられるこのロボットは、女性でもけっこう楽しんで作れると思います。ATOMとの生活については、最初はスマホの延長みたいな、情報端末的な便利さに惹かれていたんです。でも「話し相手」として欲しがっている人も多いと聞いて、なるほどなと思いました。ひとり暮らしの男女とか、年齢問わず、そういうニーズはあるでしょうね。私も「便利さ」というより「気のおけない相棒」的な関係になれたらいいなと思っています。
──「気のおけない相棒」というのは?
東村 たとえば「2時間だけ集中して原稿を描いて、その後でケーキを食べよう!」と決めたら、ATOMに「〇時になったら教えて?」と伝えておけば、仕事もがんばれますよね。「今日は〇〇(媒体や作品名)の締め切りだよ、がんばってね」と励ましてくれたりしてね。友だちというか、秘書というか……。ピーターパンにとってのティンカーベル、鬼太郎にとっての目玉のおやじみたいな感じ?(笑)。いつも近くにいて、いろいろ教えてくれたり、励ましてくれたりという「小さな自分の相棒」になってほしいですね。
──使う人によって、会話の内容も学習して変えてくれますからね。
東村 息子には子どもが楽しめる情報を話してくれて、私にはダイエット情報とか、ニュースを教えてくれたりしてね。あと、若い女の子にとっては、意中の男子を家に呼ぶ口実になるかも。猫は飼えなくても「今週のアトム、難しいから手伝ってよ」とか(笑)。私は韓流スターの中でも2PMのチャンソンが大好きなんですけど、韓国の人たちは日本のアニメとか大好きだから、もしチャンソンに会えたら「うちにアトムいるよ!」って、むちゃくちゃアピールすると思いますよ(笑)。
漫画家。宮崎県出身。1999年『ぶ〜けデラックス』NEW YEAR増刊にて『フルーツこうもり』でデビュー。『ひまわりっ 〜健一レジェンド〜』『ママはテンパリスト』『海月姫』『かくかくしかじか』『東京タラレバ娘』ほか、ヒット作多数。『海月姫』で第34回(2010年度)講談社漫画賞少女部門受賞、『かくかくしかじか』で第8回マンガ大賞、第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞、『東京タラレバ娘』で第6回ananマンガ大賞を受賞。
『週刊 鉄腕アトムを作ろう!』第1~3号、好評発売中!
最新の人工知能(AI)を搭載! 日本初・会話とクラウドで成長するキャラクター型コミュニケーションロボット「ATOM」がドライバー1本で組み立てられます。
創刊号は特別価格 本体830円(税別)
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『週刊 鉄腕アトムを作ろう!』の詳しい情報は ⇒ 『週刊 鉄腕アトムを作ろう!』公式サイト