この物語の半分以上が、このボッツリ山とその一帯を舞台にした少年たちの戦争ごっこの描写で占められてますが、この遊びがなんとも自由で勇猛で。地の利なんかも考えぬいててものすごく楽しそう。「知られざる名作」とオビに書かれてますが、たしかに知らなかった、こんなにおもしろいのに。タイトルがよくなかったのではないでしょうか。『田園の憂鬱』『厭世家の誕生日』とかに比して。(カラスヤ)
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。
近況:鬼怒川温泉にいってまいりました。山を見ると安心します。