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2026.04.22

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服を捨てると人生が動き出す! 自分が変わる!

隠した心を開け放つ、「服捨て」

クローゼットとは便利なもので、扉を閉めてしまえば、散らかり放題の惨状を見て見ぬふりできてしまいます。「服はたくさんあるのに、明日着ていく服がない」。そうため息をつく一人として、私が手に取ったのが、昼田祥子さんの『服捨て 自分を解き放つメソッド』です。
著者の昼田さんは、ファッションエディター。1000着の服があふれるクローゼットに「服好きだからこそ捨てられない」葛藤を経験しながら向き合い、わずか20着ほどにまで削減。その結果、人生が大きく変わったといいます。彼女のInstagramでスタイルのある素敵な着こなしを見て、「その『捨てメソッド』を知りたい!」と思ったのがきっかけでした。

しかし、この期待はいい意味で裏切られました。本書はいわゆる「ミニマリストになるための捨てメソッド」を説いたり、「服の捨て方」を学んでおしゃれになる本ではありません。「服捨て」という行動で思考を変えていく本なのです。
これを着るとどんな自分に見えるか?という他人の目線への依存を手放し、「持ち続ける」から「捨てる」へ行動を変えることで、自分にかけた制限や思い込みから自由になる方法が書かれています。
クローゼットに押し込み、扉で隠してきた「自分の心」に、服(と、それを捨てること)を通じて向き合う……。昼田さん自身の「服捨て」は3年にも及んだそう。ただ服を減らすだけでなく、新しい服も迎え入れてクローゼットが生まれ変わったころ、やりたいことで楽しく生きる人生が待っていました。
「捨てたらその人にとって必要なものが入ってくる」と昼田さんは言います。「服捨て」は本当に必要なものを受け入れる余白を作ることなのです。
まずは、極限までモノを捨て、思考にも時間にも余白を作りましょう。やりたいことも、あなたが一番大事にしたこともちゃんと見つかっていきます。

「捨てる罪悪感」を消す、超ロジカルメソッド

自分の本音を見つめ直す過程で突きつけられる言葉は、時にグサグサと胸に刺さります。例えば、いつか着るかもしれない服、高かった服、コラボアイテムのようなもう買えない服……いろんな意味で「手放せない服」に対する心理に、昼田さんはこう問いかけます。
高い服を手放さない人は、もし収入が増えたり、家計に余裕ができたりしても、その服を持ち続けるでしょうか。きっと多くの場合、手放すことに抵抗はなくなるはずです。つまり、今その服を持ち続けるのは、「これ以上稼げない自分」でいるほうが安心だから。
思わず「うっ」と声が出そうになる厳しい指摘も並びますが、これも心と向き合うためには避けて通れない「口に苦い良薬」です。
そして、第4章「捨てる服、残す服、入れる服」には、服で迷うたびに読み返したくなる具体的なメソッドがたくさん。この章を読むだけで「え、じゃああれとあれはもう要らないな」と、即座に捨てるべき服が頭に浮かぶ人も多いはず。なぜなら、「自分の本音を見つめ直す」「要・不要を見極める」という、本来なら負荷が高くてしんどい作業(内観)がサクサク進むポイントが、超ロジカルに解説されているからです。
服の見極めをロジカルにできるということは、「捨てる罪悪感」も減らしてくれるということ。それが心を軽くし、この通りに進めていけば「自分らしさ、自分スタイル」もきっと手に入るという確信を持たせてくれます。

『服捨て』で本来の自分になる

それでもやはり、物を捨てることは痛みを伴います。それが「思い出に紐づいた服」や「こう見られたいという自分を投影した服」であればなおのことです。
本書には、何度となく「あなたの本音」「あなたが心から着たい服」「自分の気持ち」といった言葉が出てきます。「服捨て」と人生がリンクするのは、外見の印象を大きく左右する服はただの装飾ではなく「内面の一番外側」だからなのでしょう。服を整理することは、自分の心に直接触れることでもあるのです。
読み進めるうち、過去の執着や他者からの刷り込みに気づき、思わず涙がこぼれることもあるかもしれません。けれどそれは、自分の心が解き放たれ、本来の自分を取り戻していく確かな過程であるはずです。

レビュアー

中野亜希

ガジェットと犬と編み物が好きなライター。読書は旅だと思ってます。

X(旧twitter):@752019

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