米国統治下の沖縄は、交通ルールも「車は右、人は左」の米国式でした 。しかし、本土復帰後は「車は左、人は右」の日本式への変更を求められることになります 。しかもその変更を7月29日22時から7月30日6時までの「たった一晩」のうちに行わなければならない 。それが交通改革「ナナサンマル」です 。このルール変更は事故発生の危険も伴う、人命に関わる大事件でした 。そんな沖縄が大きく変わる夜に、英雄たちが「ある戦果」を求めて動き出す――これが本短編集に収録されている一編「ナナサンマル」です 。
米軍基地から物資を奪う「戦果アギヤー」を描いた著者 が、また違う視点から、沖縄に生きる6つの英雄の物語を書きました 。
知らないでは済まされない歴史がたくさんあります 。『宝島』に登場したグスコやヤマコの懐かしい顔にも会えます 。ぜひご一読ください 。
――文芸第二単行本編集チーム 大久保杏子
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1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で、第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ受賞。2018年に刊行した『宝島』で第9回山田風太郎賞、第160回直木三十五賞、第5回沖縄書店大賞を受賞。ほかの著書に『バイブルDX』『畦と銃』『墓頭』などがある。






